# ページ8
.
「良かったあ、璃斗ちゃんがここのバスケ嫌になっちゃったのかと思った。やばいすごい全力で止めにかかっちゃったじゃん、恥ずかし〜〜〜〜〜......」
次はこちらが驚かされるばんだった。
だってそれはつまり、私がいなくなるのは嫌だってことで。もっと言うと、私はそれなりにここの人たちに好かれてるってことで。仲間だと思ってもらえているって、ことで。
そこまで考えるとなんだか恥ずかしくなって、緩む頬も赤い顔も隠すように原先輩に抱きついた。
「っと、璃斗ちゃん？？？？？えっ、え、デレ期？？デレ期なのこれ？？？？うわあ喜ぶべきなのに周りの視線が！痛い！！主に古橋の！！！！！刺さるわ！！！！！」
「あはははっ」
「さあ璃斗次は俺に」
わいわいとやって来た先輩たちを見て、私はここに来て良かったと改めて思うのだ。
そして同時に笑えてくる。
こんなに普通の高校生をしている私たちが、普通のやりとりをして、笑いあっている私たちが。
ラフプレーをするだなんて、一体誰が思うだろうか。いいや、どうやったって想像できないでしょう。ああでも、
今この場にいれば、分かるか。
痛みに呻く相手校の主将さまを先生たちが病院に連れていかれ、急遽練習試合が中止された後だという現状を知っていれば。もしくは、殺さんとばかりに向けられた、お仲間さんの帰り際の視線を知っていれば。
最大限の侮辱を受けてもなお、一人として殴りかかろうとするやつがいなかったあたりは、さすがいい子ちゃん、ってか。
「おい璃斗、行くぞ。」
「はあい花宮先輩、今行きまーす！」
部室に向かう先輩たちを追いかける。
殺意のこもった視線の中、一つだけ違った視線。「どうして」と呼びかけるようなあの目。
ああそういえば、彼は中学時代の同級生か。一度だけ委員会が同じだった、ただそれだけの人。
大して興味もないのですぐに頭の隅へと追いやり、消し去る。
「こんなゴミクズの被った粗末な仮面に騙されちゃって、御愁傷様。あーあ、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
織叶(プロフ) - じゅんこさん» 初めまして！そう言っていただけて何よりです。とても励みになります、ご読了ありがとうございました！！ (2018年8月3日 0時) (
レス) id: da72fed0d7 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんこ(プロフ) - めっちゃおもしろいかったです！ (2018年8月2日 3時) (レス) id: 15b677e26e (このIDを非表示/違反報告)
織叶(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！一応完結までのイメージはあるので、それまで読んでもらえたら幸いです。応援ありがとうございます！頑張ります！ (2018年2月20日 5時) (レス) id: da72fed0d7 (このIDを非表示/違反報告)
きななん:)湯豆腐。(プロフ) - コメ失礼します。面白いです！更新頑張ってください(о´∀`о) (2018年2月19日 22時) (レス) id: 603cf921d7 (このIDを非表示/違反報告)
織叶(プロフ) - 詠宮さん» コメントありがとうございます！んふふ、ニヤニヤしてもらえたらこちらこそ最高です...！これからも霧崎第一の青春をよろしくお願いします！ (2017年11月15日 22時) (レス) id: da72fed0d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：織叶 | 作成日時：2017年11月13日 15時
