僕の兄は莉犬くん。

えいと ページ9

今日は疲れてしまった。

学校ではテストの点は悪くて、体育の授業ではすっ転んで、相変わらずの。



いじめは無くならない。



…兄さんには全く言ってないけど、女なのか男なのかほんとにはっきりしない僕はクラスの中心の男子からいじめを受けている。まぁ、中心というか学年ほぼ全員だけれど。


歌い手を再開したのにそんなことを引きずっている暇なんてないと思った。

それに、今まで沢山苦労してきた兄さんに比べたら俺のことなんて全然大したことはなかった。


いじめの内容はだいたい予想がつく。

朝学校に行けば上履きはない。LINEでは悪口ばかりが送られてくる。体育の授業ですっ転んだのも足を引っ掛けられたから。そんなものばかり。

はぁ、つら。

り「え、どした？辛い？」

『え、…声出てた？、』

り「うん、何が辛いの？」

『えー笑…テスト…、帰ってきたの点数悪かったんだよねwww』

空元気だろうけど笑わないよりきっとマシだとおもう。

り「えー、まじかー、何点？」

『…36、…理科…Www』

り「やばいww」

『でしょ？ww』


兄さんにだけは…心配をかけないように。


『あ、そうだ兄さん！今日19:00に投稿でいいんだよね？』

り「うん！！」

『おけ！あと5分！、！ツイートもしたし、沢山見てくれるといいなぁ…』

り『そうだなぁ、』

…

……。

り「さん、にー、いち、」

『投稿！』


ーー
YouTube 自傷無色 うたってみた 「莉犬×りひと」
ーー


その後はたくさんのリプやいいねが来た。


あぁ、うれしいな、…こうやって求められてる感覚がすごくうれしい…、僕の声を聞いてくれている人がいる、それだけで十分。

兄さん、俺これからも頑張るから、絶対心配しないで。

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