記憶ヲ消シテ ページ28
私の斜め前に座っている炭治郎と会話する杏寿郎さん。ちなみに私は真っ赤になった顔を両手で隠している。
「うむ!そういうことか!…だが知らん!「ヒノカミ神楽」という言葉も初耳だ!君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが、この話はここでお終いだな!!」
「えっ!?ちょっともう少し…」
「俺の継子になるといい、面倒を見てやろう!」
相変わらずのマイペースっぷりだな杏寿郎さん、炭治郎が呑まれてる…
それから杏寿郎さんが呼吸について詳しく説明し、刀の色についても説明した。そして炭治郎を鍛える気満々である。そんな二人の様子を静かに眺め、小さく笑みを浮かべる。と、隣の座席から伊之助の大きな声が聞こえた。
「うおおおお!!すげぇすげぇ速ぇええ!!」
「危ない馬鹿この!」
「俺外に出て走るから!!どっちが速いか競争する!!」
「馬鹿にも程があるだろ!!」
キレッキレな善逸のツッコみも気にせず叫び続ける伊之助。そんな伊之助に杏寿郎さんが声をかけた。
「危険だぞ!いつ鬼が出てくるかわからないんだ!」
「え?」
その言葉に反応したのは伊之助ではなく善逸で、真っ青な顔をしながら杏寿郎さんに向かって叫んだ。
「嘘でしょ鬼出るんですかこの汽車!」
「出る!」
「出んのかい嫌ァ――――ッ!!鬼の所に移動してるんじゃなくここに出るの嫌ァ――――ッ!!俺降りる!!」
「もう動いてるから降りられないよ善逸」
でもA!と縋るような目をしながら私を見る善逸。残念、これに関しては私でもどうしようもないわ。諦めて!という気持ちを込めて笑顔を浮かべながらサムズアップすると善逸は絶望したような表情を浮かべながら席の上で崩れ落ちた。
そんな善逸を見ながらも、笑顔を絶やさず杏寿郎さんは説明を続けた。
「短期間のうちにこの汽車で四十人以上の人が行方不明となっている!数名の剣士を送り込んだが全員消息を絶った!だから柱である俺たちが来た!」
「はァ―――ッなるほどね!降ります!!」
「だから降りられないって善逸」
ふふっと小さく笑うと、この車両に新しく人が入ってきた。車掌さんだ。その人はふらふらとこちらに歩いてくると小さく口を開いた。
「切符…拝見…致します…」
…確か、ここで切符を斬ってもらうと魘夢の血鬼術が発動するんだっけ。その人にとって、一番幸せな夢…。
うん、策思い浮かばないしここは引っかかっておこう。私は車掌さんに切符を手渡した。
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なぎ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます…‼ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: c7ded9271f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新待ってます…応援しています!頑張ってください!! (2022年5月25日 23時) (レス) @page42 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
しらこのり - 更新ずっと待ってます 再開して欲しい… (2022年1月15日 11時) (レス) id: 573692b408 (このIDを非表示/違反報告)
人類のようなナニカ - コメント失礼します。この作品本当に大好きで、読み進めるのが楽しくて楽しくて仕方がないです!応援しています!!!!更新頑張って下さい! (2022年1月7日 19時) (レス) @page42 id: 60efa73c00 (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 投稿楽しみにしてます! (2021年12月31日 18時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2019年8月20日 14時