皆に愛されし少女【鬼滅の刃】

最悪ナ再会 ページ14

私と炭治郎で片手ずつ禰豆子ちゃんの手を握る。浅草の街の中に入ると…もう、アレ。なんじゃこりゃぁ…って状態。私もこの世界に生まれてから早18年、今世で初めてこんなところ来ました。

隣にいる炭治郎も目を回している。うん、田舎育ちがいきなりここ来たらきついわ。


「炭治郎…人酔いしそう…場所移そう…」

「そ、そうだな…あっち、あっちいこう…」


とてとてと走って路地裏に向かうと…今からおっぱじめるぜ！って感じの男女がいた。うっわ申し訳ない…

炭治郎も顔を真っ赤にして一言謝ってから走って逃げた。足はっや追いつくので精一杯なんだけど！！


街から少しだけ離れた場所に屋台があったのでそこで山かけうどんを二つ注文した。屋台の前にある椅子に腰かけ、二人で大きくため息を吐いた。


「都会なめてた…きっつい…」

「人が多すぎる…」


二人でぐったりしていると、すぐにうどんが出てきた。おじさん仕事はっやいな。

スープを飲み一息つくと、隣からガシャンっと凄い音が鳴った。驚いてそっちを見ると、うどんを落とし立ち上がっている炭治郎の姿。…あぁ、鬼舞辻の匂いか。


私はうどんを置いて炭治郎の様子を窺う。バッと駆けて行ったのを見て急いで追いかけた。人混みヤバいから見失いそう…

人の間を縫って追いかける。何回かぶつかったけど許してほしい。ずっと走っていると、やっと炭治郎の後ろ姿が見えた。…立ち止まってる…？


「…うっわ」


やっべちょっと本心出た。人のふりをしていると知りドン引きしているように見える炭治郎の後ろからそいつを覗く。

…ばれないようにのつもりだったけど、無理だねばれてるね。すっげぇ見られてるもん鬼舞辻に。目の前で会話する二人を見ながら、私も腰に携えた刀に手を掛ける。そして「お知り合い？」という質問に対して、鬼舞辻が答えた。


「いいや、困ったことに少しもーー…知らない子ですね。人違いではないでしょうか。…でも、後ろの君」


ひぃなんかの矛先がこっちに向いた！？つい震えると、炭治郎が私を背に隠してくれた。いやもうほんと可愛い顔してイケメンかよ超好き…

炭治郎の尊さで恐怖が一気に吹っ飛んだ直後、再び恐怖した。


「君は、覚えていますよ。お久しぶりですね。そうだ、少し二人で話しませんか？積もる話もあるでしょう」

「人違いではないでしょうか！！」


言われた言葉をそのまま返す。これぞブーメランだな！ははッ！恐怖でおかしくなってるぞ私！！

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