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目を覚ましたから何日か経って、
自分の体を理解してきた。
ピアノを弾くと腹が満たされる。
食事は音楽なのだろう。
陽の光は浴びることが出来ない。
そして私が『鬼』だということ。
先日、黒い服を着た数名の男が来た。
警察とは違うみたいだ。
銃砲刀剣類所持等取締法。略称、銃刀法。
届け出を出さない限り処罰される。
その警察が刀を持っているはずがない。
「鬼はお前か!その頸斬りに来た!」
勿論私は無視をする。
斬られる事をしていないからだ。
そもそも鬼ってなんの事?
何がなんだかさっぱり。
「それにしても血の匂い全然しないな此処」
「血を出さずに喰ったんじゃないのか?」
この男達は何を言っているのかわからない。
血の匂い?喰った?
あぁ、考えるのが面倒臭い。
ピアノを弾いて心を落ち着かせよう。
〜♪
「なぁ、俺達なんで此処にいるんだ?」
「道に迷ったとかじゃなかったか?」
「多分それだ。早く藤の家に戻ろう」
「そうだな」
男達は勝手に部屋に入ってきて勝手に帰って行った。
いったい何だったんだろう……
その翌日から朝日が昇る前に起き、
晴れそうだなと思ったら明るい曲を。
雨が降るなと思ったら静かなゆったりした曲を。
昼と夜は気分に合わせた曲を弾き、
のんびりと過ごしていた。
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作者名:ぴぴぴっぴ x他1人 | 作成日時:2019年11月8日 0時