イワトビペンギンは愛を育む

新たな発見 ページ29

.






Bs63｢オリ姫じゃないん！？｣




｢福岡生まれ福岡育ちなので………。圭太個人は応援してるんですけど……｣




Bs18｢圭太さん応援してるんやったらええんやない？
ちっちゃい頃から好きならそう簡単に乗り換えとか無理やろうしなぁ｣




Bs63｢じゃあウチとソフトバンクの試合の時はソフトバンク応援しとるん？｣




｢は、はい。圭太の打席の時だけ圭太を応援してます…。
でも応援団のところで見るときは、ホークスだけ応援してますね……｣






スミさん、思ったよりガチのソフトバンクファンだった。
応援団のところで見るとかほんとに好きじゃないと行かないでしょ。

圭太さんも大変やなー。リーグ優勝したらスミさんは悔しがるんやもんなー。
この感じならもう一生ソフトバンクのファンやろうし。



でもカメラに振ってよかったわ。
ちゃんと話してくれたし。多分、心を開いてもらえたら普通に話せるんやと思う。

圭太さんがなんて言うかわからんけど、同い歳やしどうせなら仲良くしときたい。






Bs67｢おまたせ〜。………あれ？由伸と颯一？｣




Bs63｢お疲れ様っす！｣




Bs18｢お疲れ様でーす。ここ使おうと思ったらスミさんおったんで話してました｣




Bs67｢そういうことな。ちゃんと話出来た？｣




Bs63｢できました！｣




Bs18｢最初苦戦しましたけどね笑｣




Bs67｢珍しいなーA。いっつも嫌がるのに、やっぱり同い歳やから話しやすかった？｣




｢うん、少しだけ。でもやっぱちょっと……｣




Bs67｢無理する必要ないし、Aが仲良くなりたいって思ったら距離縮めればええんよ｣






そう言ってスミさんの頭を撫でる圭太さんの顔は、少なくとも俺は見たことがないくらい優しかった。
スミさんも三人の時よりも表情は柔らかいし、オドオドしてる様子もない。

というか空気が甘い気がする。
圭太さん来て急に雰囲気変わった。
ちょっと気まずいやん。颯一連れてさっさとロッカー戻ろう。
俺この空気ちょっとしんどいかも。






Bs18｢颯一、ロッカー戻ろ。圭太さん来たしスミさんももう大丈夫やん｣




Bs63｢じゃあ最後に連絡先、教えて！｣




Bs67｢…後で俺が送っとくわ｣




Bs63｢あざっす！｣






こわっ。
圭太さん一瞬表情やばかったって。
颯一良かったな。圭太さん優しくて。

もしかしなくても圭太さんの方が重いぞこれ。






.

お忍び帰宅→←エース様奮闘

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す