イワトビペンギンは愛を育む

私の天敵 ページ17

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大きな仕事がひと段落して、会社のみんなでお疲れ様会を称した飲み会をやることになった。

別に飲み会は嫌いじゃない。なんなら色んな話が出来て楽しいから好き。
いつもだったらノリノリで行くんだけど、今回は若干渋ったというか悩んだというか。


実は一人苦手な人がいて。いつも飲み会なんてほとんど来ないんだけど、何故か今回は参加するみたい。


苦手な理由？そりゃあもう話を聞いたらわかるよ。






｢住野さん！｣




｢なんですか？｣




｢最近彼氏さんとはどうなんですか？｣




｢この前福岡に来たので会いましたよ。仕事で忙しいからゆっくり出来なかったですけど、ウチには一日だけ泊まっていきましたし｣




｢……いっつも思うんですけどほんとに仕事なんですか？
仕事を理由に遊んでるんじゃないんですか？もう6年くらい付き合ってるのにプロポーズされないってそういうことですよ絶対！｣




｢いやだから………｣




｢絶対近くの人がいいですよ！！ほぼ毎日会えますしー、会いたいって連絡したら飛んできてくれますし！

やっぱり考え直した方がいいですよ！私は住野さんのことを思って言ってるんですよ？｣




｢……それは私と彼で決めることなので。何より彼はそんな人じゃないので私は全く心配してないです｣




｢えぇー｣






とまぁこんな感じ。

人の恋愛に首突っ込んできては遠回しに別れろって言ってくる人。
近くに彼氏が住んでるからって自分の考えを押し付けてくる人。


あまりにも迷惑というか、めんどくさいというか、イライラするというか。



写真見せてくださいってお願いされたこともあったなぁ。
もちろん見せてない。
相手が友達だろうと中川圭太と付き合ってますとか言えないし写真見せないでしょ？なのに会社の苦手な人に見せるわけないっつーの！！

嫌って断ったら｢本当は居ないんじゃないんですか？見栄張ってるだけですよね！私がいい人紹介します！｣とか言い出すし、めっちゃ煽ってくるんだよね。ほんとなんなんだよ。


多分自分が優位に立てそうだと思ったんだろうね。

可哀想な人だなぁ。






…………あぁ帰りたい。圭太の声が聞きたいなぁ。






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