イワトビペンギンは愛を育む

ウワサの彼氏 ページ2

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絶賛遠距離恋愛中の私。



もう付き合って6年くらい経つけど、そのうち4年半は遠距離。
仕事の合間を縫って会うことはあれどどこかに出掛けるなんてほぼ不可能。


そういう状況も相まってたまたまネット記事で見かけたイワトビペンギンに対して親近感が湧いてしまったのである。





ちなみに。

私は福岡、彼は大阪。


会おうと思えば全然会える距離ではある。西日本だし。




福岡と大阪なんてどんな出会いをしたんだって話になるけど、私たちの出会いは大学時代。

東京の大学で年齢は違えど同じ部活に所属した先輩後輩。

私が1年生の時、彼は3年生だった。
とにかくすごくて、3年生から4番を打ってベストナインにも選ばれたいわば天才。4年生では主将としてチームを引っ張った。


あぁ、そうそう。お察しの通り東洋大の野球部でした。
そしてその彼というのは。






｢ただいまー｣




｢………えっ！？今日来るって言ってたっけ……｣




｢Aー？｣




｢っはーい！！おかえりー！｣






玄関に向かうと噂の彼。
基、中川圭太。

ちょうど試合で福岡に来てたんやけど、いつもなら事前に連絡くれるのに……。


荷物を受け取ろうとするとギューッと抱きしめられた。
汗の臭いはしない。いつもの香水の匂い。シャワー浴びてきたんだなって。落ち着くなぁ。






Bs67｢はぁぁぁ………。やぁっと会えたわ｣




｢一か月半振りやもんね。……私も会いたかったぁ｣




Bs67｢…………かわい。なぁ今日はご飯何？お腹空いた｣




｢あれ？食べてないん？｣




Bs67｢うん。Aの料理食べたかったからタクシー乗って帰ってきた｣




｢ドームからここまで！！？連絡してくれたら迎えに行ったのに！｣




Bs67｢Aだって仕事で疲れてるやろ？｣






アスリートに比べたら、パソコンの前で作業してる私なんか比べ物にならないのに………。

でもそういうところが圭太の優しさよね。


学生の頃からそう。
1年生で雑用ばっかやってた私にいつもありがとうってわざわざ声を掛けてくれたし。






Bs67｢そういえば試合見た？｣




｢………たかほー！！｣




Bs67｢お前ー……｣




｢山本由伸から点って取れるんやね！｣




Bs67｢いつになったらオリ姫になるん……｣




｢ならんよ！圭太個人は応援するけど！｣




Bs67｢………俺応援してくれるならええか｣






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