気になる彼はヤクザの息子!? (ページ7)

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7話ページ7

…み、宮代君だ。

目をこすり、もう一度見る。

……宮代君だ。

見間違いなんかじゃない。
そこにはちゃんと宮代君がいて、いつも通り本を読んでいる。

周りの人は、私を「かわいそう。」と言っている。

確かに、宮代君は怖いと思うけど、仲良くなれるチャンスだよね!!

そう自分に言い聞かせ、私は席に座る。

…で。なんて話しかけようか。

まずそこから。

『仲良くなるチャンス』とか言っておきながら、私は何も考えていなかった。

「うーん…。」

どうしようか考えていると、私の視線はいつの間にか宮代君に行っていた。

…肌、きれいだなぁ…。

傷があるけど、結構きれい。手入れしてるんじゃないかって思う程。
それにまつ毛長いし、目つきキリッとしてるし、二重だし…。

近寄りがたい雰囲気だけど、よく見てみると顔が整っていてかっこいい。

今、本を読んでいる横顔だって…。

すごく真剣な顔で、胸が高鳴ってしまう。

すると、宮代君はチラリと私の方を見た。

――― 一瞬だけ、目があった。

「あっ、ご、ごめんなさい…。」

私が謝ると、彼は本に目を落とす。

「……って。」
「え?」

彼が喋った。
初めて聞く声にドキッとした。

「――『恋』って、どんな味なんだろうね。」

「…へ?」

すると、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。

「あ、宮代く…。」

気づいた時には彼はいなかった。
荷物がないから多分、帰ったんだと思う。

「『恋』…。」

彼との初めての会話では、難しい質問をされた。