63話「まぐれの一発なんか」 ページ27
そして、翌日。
A達は、チームZ専用のトレーニングフィールドで練習をしていた。今は、ポジションを交代しながらシュート練習を行っている。
ダンっ、とAがシュートを放つと、そのシュートは無様に外れ、ゴールポストにすら当たらずに掠れた。
「あっ!」
「はい、A。外したから交代!」
「下手糞が。はっ、試合で決めたゴールは
イガグリと雷市が煽るように言うと、ポジションを交代した。そして、Aは一旦休憩に入っていた。壁際にもたれ掛かり、そのまま地面に座り込み、息を整えていた。
(やっぱり皆……私より全然上手いな……。体力も半端ない……。私の武器は、ゴールの匂い……、空間認識能力ってのは分かったけど、何をどう使ったらいいかイマイチ分かんないんだよなぁ……)
ちゅーっと、ドリンクをストローで飲みながらそう考えるA。無意識にやっていたから、今よく分からないのも無理は無い。
だが、言われてみたらみたで、そんなに凄いことが本当に出来ているのか、と考えるが、きっと、いつも無意識に反応していることは、そういうことなのだろう。
─────『お前に俺の何が分かんだよ』
(千切には、余計なこと言って怒られたし……、練習でも、みんなの足を引っ張ってる)
このままだと駄目だと思い、自分には何が必要かと考える。
「……まぐれの一発なんかで、終わりたくない……」
小さくそう呟くと、どこからが声がし、絵心がモニターに映る。
『やぁやぁ、才能の原石共よ。ただいま、第六試合までが終了しました』
ズルズルとカップ焼きそばを食べながら話す絵心。やっぱソースとマヨネーズって合う〜と言いながら頬張っている。それにチームZの面々も、羨ましそうにカップ焼きそばを眺めている。
『はい、順位と結果表ドーン』
絵心が映っているモニターに、第六試合の結果と、勝ち点と、得失点差が書かれている表が映し出された。
第六試合の結果は、チームX対チームY。3−4でチームYが勝利していた。
そして、現時点の一位はチームV。勝ち点6の、得失点差が+9点。
二位が、チームW。勝ち点3の、得失点差が+2点。
三位は、チームXで、勝ち点3の、得失点差が+0点。
そして、四位がチームZ。勝ち点3の、得失点差−3点。
五位が、チームY。勝ち点3の、得失点差が−8点。
と、一勝一敗のチームが三チーム並んでいた。
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渡月(プロフ) - 豆腐。さん» コメントありがとうございます!!!潔世一は不憫でなんぼですから(?)好きって言っていただけて何よりです!!これからも更新頑張りますので、待っていただけたら幸いです!!豆腐。さんのために頑張ります!!(?) (2023年4月3日 18時) (レス) id: b05dbf39f9 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐。(プロフ) - 誕生日の話の最後の潔くんが不憫すぎる……本編も番外編も全部好きです!!更新楽しみにしてます!! (2023年4月2日 22時) (レス) id: 8e2b958038 (このIDを非表示/違反報告)
渡月(プロフ) - 眠いちゃんさん» またまたコメントありがとうございます!!毎回好きって言っていただいて、、、もう眠いちゃんさんが好きです!!(?)男だらけで平気なのはエゴイストだからです(((((( (2023年3月23日 21時) (レス) id: b05dbf39f9 (このIDを非表示/違反報告)
渡月(プロフ) - ちーやさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しい限りです…!!!めちゃくちゃ嬉しいこと言っていただけて、本当にモチベ上がります!!かっこいいって言って貰えて本当に嬉しいです!!これからも頑張って更新するので、待っていただけると嬉しいです! (2023年3月23日 21時) (レス) id: b05dbf39f9 (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 格好いい…好き((( 男だらけな場所で平気(?)な主人公よ…… (2023年3月22日 21時) (レス) @page28 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡月 | 作成日時:2023年3月14日 20時