拒絶する心 ページ23
「ここに入れ」
ドンッ
『きゃっ…』
ラディは鉄格子を開けるとA体を押した。手を手錠ではめられていたためそのまま体は前に倒れる。
「…大丈夫か」
『ラディがやったんでしょ』
「そうだか…」
すこしやり過ぎてしまったか…と眉を潜めた。ポーカーフェイスだが気にかけているのが表情に出ていてAは優しくはにかんだ。
『ケガとかはしてないから大丈夫』
「そうか」
そういうとラディは隣に座った。Aも壁に寄りかかり楽な体制になる。
「妖精の尻尾は…バミューダの森にまた来るだろうな」
『あれだけやっても来るわよね…やっぱり…』
「今までの報告だと来るだろう。仲間意識が強い者達ばかりだからな」
『私は仲間なんかじゃないのに…』
そういいAは膝を抱えて顔を埋めた。
ラディは目を細めてため息を吐いた。
「それはお前が拒絶してるだけじゃねーのか。少なくとも妖精の尻尾は絶対にお前を仲間だと思ってる」
『…』
「なんでAは人を拒絶するんだ…。妖精の尻尾も…俺たちも……」
『いつ死ぬかも分からない。世界を崩壊に導くかも知れない力を持っているかもしれない力があって……怖いだけじゃない……』
「それでも俺は……」
そう言いかけるとラディはグッと堪えて黙った。暫く水を打ったような沈黙が続いた。
「今からでもいい考えろ。逃げたいなら言え。逃がしてやる。」
『え？』
「……俺は…誰かを犠牲にして自由を欲しいなんて思わねぇ」
『……』
「お前がそれを望むならそうするがお前が拒むなら手伝おう。」
ラディはそう言うと監獄を出ていった。Aは遠回しにラディがこのままだと自分は何かの犠牲になって死ぬんだと分かった。
何かの自由のために。自分は死ぬんだと。
『あはは…』
そう考えたらどうしてか笑えてきた。頬を伝うそれに気がつないふりをして。薄く口元に項を描く。
自分が死ぬことは別にいい。構わない。
ただやりきれない何かが存在した。
『あっ……』
その時一瞬だけ確かに黒髪の後ろ姿を見た。冷たいはずなのになぜか暖かい魔法を使う彼。
始めてあったときからよく分からない胸の奥がキュンッと落ち着かなくそしてまた落ち着くよく分からない感情になった。
その気持ちの名前はなんだろうー？？
『……待って…』
Aはゆっくりと手を伸ばす。だが届かずそしてそのまま意識を手放した。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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エルザ
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まりらびゅ(プロフ) - リオさんありとうございます！頑張ります(*^^*) (2013年6月28日 23時) (
レス) id: 4dfaae2d8a (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白いです(*^。^*)更新頑張って☆応援してるからね (2013年6月28日 20時) (レス) id: 689a8ee5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2013年6月10日 16時
