＜アイズ＞~守るために~5 (ページ32)

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一星光は何処へページ32

貴ついた…』

結構近かったな。確か病室は…

イレブンバンドを見ながら探す。そして一星光という部屋を見つけノックをし中に入ると…

貴 …だれも、いない？』

そこには服だけがあり、外の光だけが部屋を照らしていた

貴どこかに行ってるのかな。少し、待ってみよう』

彼女は1時間…2時間…そして夕方まで待つ。だが一星光は現れない

貴おかしい。こんな遅くまで来ないなんて…あれ。これ』

そこには岩戸くんからの手紙があった。そしてその手紙の隣にそれに対しての返事の手紙が…

貴これ、充の字と全く同じ…』

兄弟だから似てるなんてレベルじゃない。何処からどう見ても全く同じだ。

貴一星充と一星光…亡くなったのは充の方。だけど一星充は生きている。この手紙には一星光、まさか…』

一星光の体の中に一星充がいてそれで…身体を支配している？

貴 …わけわかんなくなってきた』

一旦戻って、もう一度じっくり考えよう

彼女はメモを残し病室を出た

『病室にお邪魔したらいなかったのでメモを残しときます。もしよかったら文通しませんか？凛竜A
より』

あのメモで光のことが分かるかもしれない

その時。

真横を1人の少年が通り過ぎた…雪のような真っ白な肌、髪、この世のものとは思えない美しさがあった

ズキッ

貴あ、れ？ま、待って!!』

咄嗟に彼女は彼の腕を掴む。するとその少年はそうなる事が分かっていたかのようにニコッと笑い一言。

カ久しぶりA。…でもまだ僕達は会ってはいけない。だからまた今度ゆっくり話そうね』

優しい雰囲気を醸し出す少年の紫の眼が、どこかでみたような、懐かしいような…

貴おにい、ちゃん？』

カえっ…』

彼は目を見開いていた。彼女は、気を戻しすみません!!と走って去っていった

カ …記憶、戻ったの？』

答えが返ってこない呟きをポツリともらした

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貴 ………』

なぜあの人にお兄ちゃんと言ったのだろう。分からない

一 A大丈夫か？顔色が悪いぞ』

一郎太は彼女の変化に気づき声をかけた

貴あ、、、大丈夫だよ。さっきちょっとバスで酔ってね』

へらっと笑う彼女。

少しずつ、少しずつ、闇が近づいてきている。

闇…彼女にとっては光なのだろうか