銃口が捕える重い前髪かき分けて【伊i沢i拓i司】

三発目 ページ5

伊沢side

俺が嫌いな言葉がある、それは

「流石、東大三銃士ですね」
そう、″東大三銃士″である
呼び方とかなら、普通にかっこいいって思うわもしれないが、俺は納得いかない。

俺が大学を中退してから、忙しくてあまり来られてなかったAがよく顔を出すようになった。
水上や鶴崎と同級生だから仕方ないのかもしれないが、3人セットで″東大三銃士″ずるい、これはとてつもなくずるい。

「はぁ、俺とのコンビ名ないのに､､､」
向こう側と繋がっていないことをいいことに、俺はよくここで本音を吐き出す。もちろん、こちら側に振られるタイミングというのがあって、大体振られたタイミングが分かるのでその時にはスイッチを切り替える。

あ、また水上笑った。明らかにAが苦手で勉強教えたからじゃん、水上のお手柄じゃん。

なんて、画面とにらめっこすることは日常茶飯事に等しい。だって、ずるいじゃん。

「伊沢さんの後輩というか弟子なんですよね」
休憩中にはスタッフさんとお話をよくする。たまに勉強になったり、向こう側のことを説明してくれたりして助かる。特にAの出待ちの時にはね。

「そう、ですね。本人は師匠くらいに思ってるんじゃないですか？」
すこし、微笑みながら話す。これは少し悔しいことだが、彼女にとっては当たり前。

彼女は新しいことを求めることが好きで、その延長線上にあったのが勉強だった。だから、日々新たな発見を見つけるために高台のような難関大学に入学したらしい。
そして、視野を広げるためや、単なる興味から始めたのがクイズ。

「あの子にすごく向いてると思ったから僕が勧めたんですよ」

楽しそうに解説をするA、ほらここ俺が教えたんですよってスタッフさんにまたドヤれた

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