インターネット恐怖症2【歌い手】 (ページ10)

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恐怖症ページ10

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「もし、俺が消えたら？」

『探しに行く、当たり前でしょ？』

即答だった

やっぱりAだなぁ、と改めて実感した

人に優しくする事が、当たり前なんだ

見返りとか全く考えないで、自然と行動しちゃうんだ

「…すごいや」

特別だよ、Aは

『…？』

人を救う為に生まれてきたんだね

でも、救った人に裏切られちゃったね

Aは優しいから、許しちゃうんでしょ？

今が良ければ前科は問わない

過去は過去、現在がどうかなんだよ

「先輩」

先輩、とかたまに出ちゃうんだよね

『ん？何、奏くん』

Aも高校の時の呼び方だ

「俺、先輩みたいになりたい」

『…ありがとう、でも、私は弱虫だから他の人を見習いなよ』

…え

「…どうして、そんなこと言うの？」

『え…？』

「Aが弱いんだったら誰が強いの？
Aの『弱い』は弱いじゃないよ
大好きな人が自分を責めてるところを見るのが、どれだけ辛いか…
泣きたいときに泣くのが『弱い』じゃないんだよ？
泣きたいときは泣いて、立ち上がるのが『強い』だよ
Aは傷つけられてもすぐ立ち上がる
どれだけ精神的にも肉体的にも傷つけられてもニコニコしてる
立派だよ、偉いよ
だから、そんなに自分を責めないで…
俺、苦しいよ…」

胸が痛いんだ

俺は弱いんだ、Aは強いんだ

この差は、生まれたときからついているんだ

『ごめん…、でもね？そうは、強いよ』

そんなこと言われたら、泣いちゃうじゃん

「…ぅ、ぁぁ」

『私のヒーローだよ』

先輩、俺、先輩みたいになる