インターネット恐怖症2【歌い手】

恐怖症 ページ20

『なん、で…』


りぶは淡々と続ける


いやまって、こわいりぶさん怖いよねえねえ走るの速いよあなた


「いや〜…四人にも言えないこと背負ってるじゃん

久しぶりにその悩み聴いてあげようと思いまして…」


大人だな、流石


『りぶ、家来て』


うん、と微笑んで頷くりぶには、得体のしれない安心感がある


ーーーin 自宅

お互い正座で向かい合わせになる


「まず、気付いてあげられなくてごめん」


りぶの声は落ち着いてはいるが、震える手から気持ちは伝わる


『りぶ、忙しかったんでしょ？仕方ないよ』


「いや、そんな事に甘えてるからこうなったんだから」


ひたすらに真っ直ぐなりぶのことだから、これ以上何を言っても聞かないだろう


『………あのさ、』


私は最近傷が痛むことを話した


りぶは微笑んで頷きながら聞いてくれた


「頑張った、いつも我慢するんだから…」


良いよ、泣いても


その言葉は魔法の言葉だ


『つ、らいの…っ、ぅ…だ、れも、いな、かっった…』


相談相手がいなかったんだ


「うんうん、強くなったね、偉いよ」


どこまでも優しく、どこまでも落ち着いている


『ぁ……うぁぁぁぁぁぁ…』


視界が歪んで、何も見えなくなる


「こんなに耐えてたの…立派だよ」


苦笑いしながら、親指で涙を拭ってくれる


『へへ、ありがと…』


なんだか睡魔が襲ってきて、眠ってしまった

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