インターネット恐怖症2【歌い手】

恐怖症 ページ17

「………姉ちゃん」


『え？』


「って呼んでもいい？」


姉ちゃん、か…


そうのお姉さん、亡くなったんだっけ…


そうが四才のときに


私がお姉さんの代わりになれるのかな


『いいけど、今から変えるって大丈夫？』


「大丈夫！」


『ならいいけど…』


………今のそうの目、違う


何かが、おかしい


「汚れつちまつた悲しみに……」


……！


『今日も小雪の降りかかる』


「っ！？」


『汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる』


「知ってるの…？」


泣きそうな目で、私に問いかける


『私ね、これでも慶應の模試全国一位なの、一橋も』


これでも頭はいいんだぞ


ちなみにバリバリの文系です


「聞いてない」


『言ってない』


むぅ…と頬を膨らます


女子かよ、あ、男の娘……


『あ、てか、なんで中原中也知ってるの？』


「俺の姉ちゃんの事知ってるでしょ？


その事故が冬にあったんだ…


でね、その悲しみから両親が壊れた…


それで同じだな…と」


だから『汚れつちまつた悲しみに……』知ってるのか


『中学から一人暮らしだったよね…』


「まぁ、俺も耐えられなかったしさ」


やっぱり、誰にでも辛いことはあるんだよね


『私、そうのお姉さんの代わりになれる…？』


「勿論、てかこっちの方が嬉しい」


目を逸らして苦笑いした


これはこれで複雑だな…


『まぁ、頑張るね』


この年にして、弟(仮)が出来ました

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