自分のために泣いてくれる人 ページ2
だが次に放たれるニルの言葉にみんなは目を丸くする。
「Aが生きてるかもしれないんだ！！」
しんと静まる。長年目をそらしていた問題をいきなり突きつけられて体が硬直する。
「そ…れ……本当なの？」
「俺…みんなと別れたあと神の子の本を読みあさったんだ！そしたら"想像だが二人の神の子が表れたのならば片方を殺しても死ぬことはない。一人が生きていれば寿命以外では死なないであろう。"って書いてあったんだ！！！
なんか神の子ってゆーのは卵子ってゆーのと精子ってゆーのからすでに違うらしくて俺とAが一卵性なら片方が死んでももう一人が生きてるなら大丈夫とかなんかよくわかんねーはなし！！」
「つまり…ニルが……生きてるってことは……」
「Aが生きてるってこと…！？」
時間が巻き戻されるような。そんな沸々と沸き起こる感覚。
「まだ確かな情報だとは言えないが…期待させて裏切るかもしれないけど………確認しに行くのに一緒に来てくれないか？」
「「「「行くっ！！！！」」」」
「！」
ナツ達の即答にニルは目を丸くする。
「今日までちゃんと気持ちに折り合いつけられなかったんだ……」
「だから！いい加減はっきりさせようと思うの！！」
「その情報が確かじゃなくてもいい！」
「可能性があるなら私たちは一緒にいきます！！」
「おいらも行くよ！」
「当然私も行くぞ！」
「当然よ！」
ニルは瞳を揺らす。
みんなの強い瞳になんだか勇気をもらったようだった。
「わしらの分まで確認してこい。親より先に死ぬ親不孝者をここにつれてこい。」
「Aはもう妖精の尻尾の一員じゃ。わしの子も同然じゃ。Aは必ず生きとる」
「私も！Aが死んだなんてまだ納得できないの！」
「そーだ！Aは妖精の尻尾の一員だ！」
「みんな…」
ニルは滲む視界に鼻を啜る。するとハッキリとはがニルを見て「泣いてるのー？」とちゃかしてきた。
「俺。涙脆いんだ」とニルは笑う。
A…。
お前って本当人から愛されるよな。
自分のために涙を流してくれる優しいやつが一人でもいるなら。その人を泣かせちゃいけない。
その人と支え合って生きなくちゃならない。だから…。Aは生きなくちゃなんねーんだ。
ニルはそう呟きゴシゴシと頬に流れる雫を乱暴に拭った。
「ところでニル。Aはどこにいるの？」
「船にのって北西にある小さな町に行くんだ。そこの海の底にある始まりの場所にAはいる」
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海姫(プロフ) - 凛叶さん» わぁ！とても照れた！！コメントありがとうございます！今までで一番照れました！笑 (2014年8月28日 16時) (
レス) id: ab7ccb80bb (このIDを非表示/違反報告)
凛叶(プロフ) - 素晴らしい作品だと思います！もう映画化しちゃってもいいくらいに！！←とても感動しました！ (2014年8月24日 2時) (レス) id: 8e76be242d (このIDを非表示/違反報告)
フェリス(プロフ) - 海姫さん» お願いします♪ (2013年11月30日 17時) (レス) id: 77a5d4ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - フェリスさん» 分かりました！考えさせてもらいます！ (2013年11月30日 14時) (レス) id: 4dfaae2d8a (このIDを非表示/違反報告)
フェリス(プロフ) - 海姫さん» ぜひ続編書いて欲しいです！期待してます( ｀・∀・)ﾉ (2013年11月29日 23時) (レス) id: 77a5d4ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2013年7月21日 14時
