片想い . 8 ページ8
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キッチンに行き、冷蔵庫を開け少し見たら閉める。
「...大ちゃん、普段何食べてんの。」
冷蔵庫は、何も無いと言っていいほど空っぽだった。
あるといえば、消費期限がかなり過ぎた牛乳と未開封のヨーグルトくらい。
これは、遠回しに買ってきて作れ。という意味なのか...、
だとすれば、大ちゃんは大きな勘違いをしている。
それは、こんな朝っぱらから開いてるスーパーはそうそうない。
...よし、コンビニに行こう。
コンビニに行き、卵とケチャップとミックスベジタブルを買ってきてオムライスでも作ろう。
そう決意したのは良いものの、
「コンビニ何処にあるんだろ。」
私と大ちゃんの家は結構な距離があって、私がここに来るのは大ちゃんの家に泊まる時くらい。
故に、ここから徒歩何分でどのコンビニがあるのか、またそこのコンビニは品揃えが良いのかここら辺について全くの無知でもある私にとっては、迷子になれと言われている感覚だ。
しょうがない。スマホの地図機能でも使うか。
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【D】
『だいごぉ、Aちゃん何処おるん?』
「コンビニでも行ったんとちゃう?」
"あぁ、そいえば冷蔵庫なんも無かったな"と思い、発言した「コンビニでも行ったんとちゃう?」。
しかし、それを聞いた本人は、
『は?一人で?こんな朝っぱらから?は?』
さっきまでの甘えた声は、どこ行ったん。
いきなり、いつもより2トーンくらい低い声で喋る。
それはもうまるで、女の人の表と裏を見ているような感覚。
『Aちゃん行方不明なったら、俺不登校なるわ。』
そう言いながらも、玄関の前に立ち、Aの帰りを待ってる姿は、飼い主の帰りを健気に待ち続けた有名な忠犬みたいやった。
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作者名:ぽんず。 | 作成日時:2018年12月27日 14時