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高校生活八十八日目 ページ3

次の日、私はリンタロウとともに学校へ向かった

勿論、放課後よ


リンタロウは私を1年2組の教室に案内した
そこには、既に太宰と中也がいた


二人は私の方を見ると、すぐに立ち上がった


太「お久しぶりです、エリス嬢」

中「真逆、エリス嬢も記憶持ちだったとはな」


二人共、小学生相手とは思えない対応をとる
まあ、私の前世を知っているなら当然よね


…でも

エ「私のことは呼び捨てでも構わないわ
今の私は普通の小学生なんだから」

二人はまだ慣れないようで少し戸惑ったように見えたが、すぐに「分かりました」と返返事を返した


エ「それで、本題に入るんだけど
Aの頭痛と頭痛によって引き起こされている幻
これは全て前世の記憶によるものね」

はっきりと告げれば、二人は薄々気づいていたのか目を逸らした


エ「その感じじゃ、薄々感じているのね


あの子のなくした記憶の一部である私たちに関わっているAは意識を失うくらいの頭痛を何度も体験してる

Aの幸せを願うなら、関わらないのが一番いいと私は思うわ」


二人は何も反論しない
ただ静かに私の話に耳を傾ける


エ「…リンタロウにはAの人生に口出ししちゃいけないって云われたわ
でも、私はAに幸せになって欲しい

だから、どうか貴方達もAと少し距離を置いて


今日はそれを云いに来たの」


大方、一番Aの近くにいるのはこの2人だろうから
この2人に注意を促せば、Aがもう頭痛で悩まされることはないと思った


しかし、二人は私の目をしっかりと見て告げた


太「いくらエリス嬢の頼みでも聞けないな」

中「ああ。悔しいがコイツと同じ意見だ
俺はAを今度こそ完璧に俺のモンにする

そして、俺が幸せにする」

太「真逆。私が幸せにするのだよ」


ふたりの強い意志が私にとってはありえなかった


エ「どうして!貴方達はAを頭痛でさらに苦しませる気!?」


止めようとするリンタロウの手を振り払い
私は前に出た


太「Aの頭痛の原因が私たちであることは薄々気づいていたのだが
矢張り好きという気持ちには勝てなくてね

手放したくないのだよ」


中「前世では此奴に取られたからな
それに、彼奴が違う誰かと恋仲になれば、俺はまた後悔する

後悔は、もう厭なんだよ」

私は何も云えなくなった
リンタロウは優しく私の肩に手を乗せる


森「これで判っただろう?
この2人なら大丈夫だ」

そして、最初からこうなるのが判っていたかのように笑った

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ユズポヨ(*´ω`*)(プロフ) - とても素晴らしいハッピーエンド!!!とても面白かったです!!! (2018年7月18日 2時) (レス) id: c5765c3274 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まぁ太宰さんならありえ……ますね!← (2017年10月3日 7時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 千さん» そういう事にしましょう(( 太宰さんなら十分あり得ますもんね! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 服を贈り物にするのって、その贈り物を着ている人を自分が脱がせたい的な意味があるらしいですよ。つまり……そういう事ですか?(ゲスw (2017年10月3日 0時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
キキララ(プロフ) - 面白い!兎に角面白い!お体に気をつけて、更新頑張って下さい! (2017年8月29日 18時) (レス) id: 14f33ab48c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイン | 作成日時:2017年6月18日 15時

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