…三十九 ページ39
あれから、何年か経った
恋人という長く甘い時間を経て、私たちはつい最近結婚式を挙げた
多くの国民の祝福を受け、最高の青空の下、私達二人はその日夫婦になった
ショッピ君は、相変わらずコネシマに対しての殺意が高くて、よく追いかけ回している姿を見るけれど、私と彼の結婚を喜んでくれた
私だけにこっそりと「おめでとうございます」とだけ言ってきた所がなんとも彼らしい
それでも、まだ私のことを諦めていないとコネシマの前で宣言しているのを見た時は、さすがに笑ってしまった
先輩も、あの後グルッペンによって軍に入れられた
しかし、先輩は断固として幹部には上がるつもりがないらしく、今は私のボディーガードとして、コネシマの統率する軍に入っている
最近お腹に新たな命を受けた私は、そんな仲間達にとても気を遣われている
コネシマなんて、トントンがびっくりするくらいの速度で仕事を終わらせて、その後は私につきっきりである
心配なのはわかるが、私だって元々一兵士だったのだから、そこまでの心配はいらないと思う
「A！すまん、今日はちょっと仕事の量が多くてな！
大丈夫か？何事も無かったか？」
私は読んでいた本を閉じて振り向く
時間はまだ午後2時過ぎ
この時間で、今日一日分の仕事を終わらせたというのだから、十分早い
「大丈夫だって。この子、今日はちょっと張り切ってるみたいだ
先程から何回か蹴っているのを感じるよ」
「そっか…何事もなくてよかったわ」
「心配性だな。もっとしっかりしてくれよ、お父さん」
「うぐっ…。そんなこと言われたってなあ…
心配なんやもん…」
項垂れるコネシマに、私は微笑む
少し前までは、私が泣き虫だとからかわれていたのに、今ではこれだ
しかし、私としても心配されるのは別に嫌なことではなかった
私の体を気遣ってくれることは分かっているからだ
「ありがとうな。心配してくれるのは嬉しい
ただ、コネシマは少し心配し過ぎだぞ
少しくらい自分の時間を持ってくれ」
「そんなんええねん。今はAの事が何よりも大切なんやから」
「そうか。お前はほんと、どうしようもないくらい私のことが好きだな」
「お互い様やろ」
違いない、そう笑うと、コネシマも笑った
その声が、お腹の中の子にも届いたのか
少し動いたような気がした
このお腹の子は一体どのように育つのだろうな
そんなことを考えながら、また今日も幸せを噛み締めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 526人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイン(プロフ) - 満那乃さん» ありがとうございます！せ、先輩落ち…メンバーではないのでちょっと難しいですね（汗）ロボロは私の力量不足で書けないので、これに関しては本当に申し訳ないです…でも、エミさんとショッピくんに関しては、頑張れば書けるかもです！更新頑張りますね！！ (2018年7月14日 23時) (
レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 卯月さん» お待たせ致しました、コネシマです！流石にわかりきった展開でしたが、とても楽しんでいただけているようでなによりです。更新頑張ります！ (2018年7月10日 21時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - ぎゃああああああ！！！え？絶対シッマだよね！？え？しんどい.....展開すこ.....来ると思ってたけど、鳥肌立ったわ.......あ、いきなりすいませ〜ん。続き楽しみに待ってます！！ (2018年7月10日 21時) (レス) id: e6c3e89a34 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - うたさん» ありがとうございます！言葉選びには結構こだわっているところもありますので、文章が綺麗と言っていただけたのはとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2018年7月8日 10時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - こんばんは、初めてコメント失礼します。前々から作品を読ませて頂いているのですが、やはりとても文章が綺麗で引き込まれます...！これからも更新楽しみにお待ちしております！！ (2018年7月7日 23時) (レス) id: 8e60c95a83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
