序章 ページ1
「本日のオークションの目玉はこの少女!ルビーのような赤い瞳を持った世にも美しい少女です!」
艶やかな黒髪。
透き通るような白い肌。
長い睫毛に縁どられた真っ赤な瞳。
(ふーん…結構可愛いじゃん)
世にも美しい少女──決してお世辞ではない。むしろその言葉では表現が足りないだろう。『美しさそのもの』を体現したような美貌である。それでも、美しくはあるがまだ少女といった容姿で……
(…なんか変態じみてるからやめよう)
五条悟がここにいるのは決して闇オークションの商品目当てでは無いことをまず明言しておこう。五条はれっきとした任務としてここにいるのである。
この場で不法な闇オークションが行われている噂は元々あった。
だが長らく放っておかれたそれが今になってわざわざ呪術師が動いているのかというと、そのオークションで扱われてる商品の中に呪具が混じっているという噂を聞いたからだ。
危険な代物も出回っているらしく、危険な呪具を落札した馬鹿な金持ちにも被害が出てるらしい。
上層部から「取り敢えず様子を見て呪具が売られてたら買ってこい」と言われた五条は渋々この会場に来たのだ。決して“本日の目玉”を知っていた訳では無い。五条が呼ばれた理由は単に“オークションでどんな値が付けられても最終的には買えるお金がある”からである。
「1100万」
「1500万」
「2700万」
「5000万」
どんどん少女の値段がつり上がっていく。
五条はチラりと周りを見た。いるのは見るからにゲスそうなおっさんや、金持ち連中の代理と思われるような男たちばかり。少女が売られた先でどうなるのか───
「1億」
その数字が聞こえた瞬間、周囲にざわめきが走る。その金額を提示したソイツは見るからにいやらしい目つきで少女を見ていた。
(見過ごすのはやっぱなぁ……。どうせ潰す予定のオークションだしねぇ)
「1億が最大でしょうか?このまま落札に──」
人身売買はさすがに見過ごせない。
五条は周りに聞こえるよう大きな声で言った、
「10億。その子は僕が買う」
あと少し見た目が好みだったというのは内緒である。
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語彙力?…先に逝っちまったよ… - 流石10億の男…! (2021年11月12日 17時) (レス) @page6 id: 2648f24353 (このIDを非表示/違反報告)
しぃぷ(プロフ) - え、この作品好きです………… (2020年12月13日 22時) (レス) id: c3f6824249 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 狐狸さん» YES (2020年12月13日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - そこかよw (2020年12月13日 21時) (レス) id: b822378cca (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 何と…ケイミーの倍…だと!? (2020年12月13日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作成日時:2020年12月13日 18時