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「じゅうッッ……!?じゅ、10億です!それ以上の方は……?」


聞くだけ無駄である。そもそもこのオークションは金持ちの道楽に過ぎない。一定の金額限度があるのだ。10億も出す人間はここにはいない。


「それでは以上をもちまして落札です!」


五条は立ち上がって、カツカツと足音をたてながら少女の元へと歩み寄った。

こちらを警戒するように睨む瞳と目が合う。


「お金はどうやって払えばいい?小切手で大丈夫かな?」
「構いません。どうぞこちらにサインを」


五条悟の人生最大の買い物。


支払った額:10億円

買った物:真っ赤な瞳の美少女


・・・


「えーっと、どうもはじめまして。五条悟です。よろしくお願いします(?)」
「…」
「君に害をなすつもりは一切ないから安心してほしいな、って言ってもそんなの怪しい人も含めてみんな言うよね。うん」
「…」
「と、とりあえず今僕の家に向かってるんだけどいいかな?」
「…」
「どうしよう伊地知。この子何も言ってくれない」
「私はまずこの状況を説明して欲しいのですが」


五条はオークションからの帰り道。とりあえず補助監督の伊地知潔高を呼んだ。さすがに真夜中に少女と二人で歩いていたら警察に職質されかねない。真夜中に五条に電話で叩き起されて呼ばれた先に上司が少女と二人並んでいる光景なんて伊地知は見たくなかった。

いくら五条の立場とはいえ誘拐は…と何も知らない伊地知は思ったが、伊地知は黙っていた。何も見なかったことにしようと心に決めた。


ちなみに今は伊地知が運転する車の中である。


「この子?この子はね〜さっき買った」
「買った!?」

危うく伊地知は事故るところであった。

上司が、
本当に、
犯罪者に、
なるかもしれない。

「何円だと思う?」
「え、買った?え?」
「何円だと思うって聞いてんだろ」
「は、800万」
「ぶっぶー。10億でーす♡」

伊地知はもう考えるのをやめた。

▽→←序章



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語彙力?…先に逝っちまったよ… - 流石10億の男…! (2021年11月12日 17時) (レス) @page6 id: 2648f24353 (このIDを非表示/違反報告)
しぃぷ(プロフ) - え、この作品好きです………… (2020年12月13日 22時) (レス) id: c3f6824249 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 狐狸さん» YES (2020年12月13日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - そこかよw (2020年12月13日 21時) (レス) id: b822378cca (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 何と…ケイミーの倍…だと!? (2020年12月13日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作成日時:2020年12月13日 18時

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