39 ページ39
「して主。どうやって彼等を説得させる気なんだ？いくらなんでもあれだけの扱いを受けてきた刀剣。簡単には信じてくれぬだろう」
最もだ。ほんの数週間前まで他の人間によって痛くて苦しい、辛い思いをしてきたというのに今から俺はそんな人間を信じてくれなんてことを言わなければならない。
自分でも吐き気がするほどの綺麗事を並べた言葉だ。そんな言葉を投げ掛けたって堅く心を閉ざした彼等には到底通用しないだろう。
『いきなり私を信じてついてこい、なんて綺麗事は言いません。いきなり認めてもらわなくてもいいんです。今大切なのは彼等と接触をすること。それさえ達成することができればまずは及第点です』
「なるほど。まずはあの前任の呪縛から彼等を解き放つ、ということか。なかなかに面白い考えだな」
割りと当たり前でありがちな考えじゃね？三日月様が打たれた平安時代にはそういう出来事がなかっただけだと思うけどね。
『そうですか？でもこれくらいしないとこの本丸を前任からは守ることができませんからね。内部から崩壊を試みられてはこちらも打つ手がありませんから』
内部の崩壊だけは何としてでも阻止しなければいけない。操られた刀剣は自我を失い、狂ったようにして斬りかかってくる。そうしたら俺も彼等を止めるために本体を折らなければいけなくなる。
それで暴走が止まったとしても彼等にとっては苦痛でしかないはず。そんな最悪の事態だけはなってはいけない。そのためにもしっかりとここの主として説得しなければ。
『そろそろ行きましょう、三日月様。貴方は私の後ろにいてください。天下五剣と呼ばれる三日月様がいれば多少は彼等も警戒心を解くと思いますので』
「あぁ。俺からも彼等に話しかけてみよう。少しは収穫があるだろう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 524人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ララーサ - 20話目の17行目「洗い呼吸で」の所「荒い呼吸で」だと思います。僕の勘違いだったらすみません。 (2021年1月4日 15時) (
レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - ちょこれーとさん» ありがとうございます、これからも頑張って執筆させていただきます！ (2019年10月7日 20時) (レス) id: db368979ad (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 続編も頑張って下さい！！楽しみにしてますね！！ (2019年10月7日 17時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 夜月さん» そんなんですね！私は兼さん推しです！Sではないと思いますが...自然と気になる場面で執筆を切り終えてしまうんですよね() (2019年9月24日 22時) (レス) id: db368979ad (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 夜桜ナイフさん» ありがとうございます...！文才があるだなんて照れます((( (2019年9月24日 22時) (レス) id: db368979ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まかろん | 作成日時：2019年9月15日 16時
