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「えぇ!覚えてないんすか?!」
よく考えてみて、この男にしては少し高いこの声は見覚えのある声だ。
私の知り合いでしかない。
「…………の、のんちゃんだ、、、、」
「………僕ですよ!僕!」
「えっ、ちょごめん、何言ってるか分からへん。」
それにしても顔が見えないから確信はつかないけど。
「なんでなんすか?!!僕はこっ!」
「あ、あの〜、」
「………っ、あ!!A!!」
「…………うわ、チャラっ!!」
久しぶりに見たのんちゃんは、私が想像していたよりも遥かに大人びていた。
ピアスバッチバチ、しかも髪も染めていて。
余りにもイケメンになっていたので、私はぽかんとしてる彼の横まで行った。
なんでこんなイケメンなんだろ。
「会いたかったよ。A。」
「………私も!」
そう言うとのんちゃんはニコッと笑い、隣にいる照史くんなんか見ずに私を優しく抱きしめた。
「………っ、、!!!」
「会いたかった、、、」
「…………っ、、」
正直言うと嬉しかった。
でもそれは別に、恋愛感情としてではない。
生き別れの兄弟がようやく会えたような感覚だ。
「……ちょ、、あの、ね?、、
隣に一応、彼氏いるから、、笑、」
「あ、そっかごめん、、笑笑、、」
「んふふ、、笑、、」
のんちゃんを軽く引き離し、横目で照史くんを確認すると彼も私たちと同じように苦笑いしていた。
「…………っ、、」
「……………っ、、」
「あ!とりあえず中入って!
ごめんね。狭いけど。」
「………あぁ、うん!」
私は彼に事情を説明するより先に、のんちゃんを家の中へ招き入れた。
もちろん、彼は呆然としていて。
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作者名:また。 | 作成日時:2021年9月26日 1時