50通の恋文【萩原研二】

恋文20.5 ページ26

SIDE K.H

「どうなるかと思ったけど、なんとか1位になれました〜！じんぺーちゃん、ご協力ありがとうございました〜」

「まじで2走者目が転倒した時はどうなるかと思ったけどな」

夕焼けの中歩きながら松田と2人で勝利の余韻ってやつ？に浸っている。

本当は転倒を見た瞬間、あー、1位はキツイなぁとか思った。けど、松田が1位の手が届く所まで巻き返してくれた。
好きな子にカッコつけるとか何より、コイツが繋げたものを形にしたかった。

ま、結果キチンと1位になれて！Aちゃんとの約束も守れてwin-winだったんだよね！！最高。

「本当あん時の松田超かっこよかったぜ？」

「そう思うなら飯おごれ」

「ラーメンで良ければ奢りますぜ？これから行く？」

「行く。つーか、お前も女子がカッコイイーって言ってたけどな」

「かっこよかった？あの子も何か言ってたかな」

知るか、とバッサリ切られる。割と重要なんだけど。

「応援、してくれてたんだよね」

「おう。すっげぇ応援されてたな」

ふふふっと顔が緩む。うわぁとか言う声が横から聞こえたけど無視する。

「嬉しかったぁー！」

「なんかお前片思い長すぎておかしくなってきてね？大丈夫か？」

早く付き合えよ…と呆れた顔で言われるが無理だ。まだ25通残ってる。
最近、意識をしてくれるようにはなった。だから、残り25通までにちゃんと好きになってもらう。

「松田ぁ、応援してくれよ〜」

「応援してるから早く付き合え。見ててもどかしい」

「あと25通〜」

「長ぇな」

そんな感じできゃいきゃい騒ぎながら俺たちはラーメン屋に入っていくのだった。

恋文21→←恋文20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す