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第三十四話 此奴が一番犬属性 ページ37




その後、流石とでも云うべきか太宰が飛んで帰ってきた。本人曰く、「Aちゃんの匂いがした」らしい。犬かお前は。

Aを視界に捉えた瞬間物凄い勢いで抱き着いていった。其の衝撃で彼女が「うっぷ」という声を漏らしながら後ろに倒れたぐらいだ。国木田の胃が痛み始まる音がする。


然し、グリグリ頭を押し付けていたかと思うと何かに気づいて立ち上がり、太宰はAを見下ろした。



「何か変な匂いする」



そう云った途端、Aはビクリと体を震わせた。他の匂いに鋭い社員たちも「確かに」と呟く。

其れに違和感を覚えた太宰は俵担ぎをして彼女を持ち上げた。



「一寸一部屋借りるね」

「まっ、ちょ待って下さい!!」



バタバタと暴れるが太宰には効かない。高身長が高身長を抱えている為何とも不思議な光景になった。
彼の目にハイライトはなかった。まるで昔のように冷酷な表情。もう止まらねぇぜ。


Aさん、ファイトだ。健闘を祈る。


誰かがそんな言葉をボソッと云った。


***



ヤバイよヤバイよ。

ダラダラと冷や汗が頬の上を伝う。太宰さんは話し掛けても返答無し。暴れても無駄だという事が判った。
気の所為だろうか、三途の川が見える。


其の儘廊下を歩き、と或る部屋の前で立ち止まった。扉を開き、私をそっと下ろす。良く在る二次創作みたいに乱雑に置いたりはしない所が流石太宰さんだと思う。嗚呼もう駄目だ現実逃避しか出来ない。


何故此処まで怒っているのかは知らん。だが「匂い」という言葉は理解した。

恐らく私の体は森さんの匂いで充満している。フェロモンを浴び続けていたせいだろう、猫のマーキングと同じ様なものだ。変な匂いなんだ、これ。一寸しょんぼりへにょんとなった。



「さァて、何で其の匂いがAちゃんの体に付いているのか教えて貰おうか」

「ヒッ……」



ゴキリと腕を鳴らし、意味ありげな笑みを浮かべる。イケメンがそんな顔しちゃ駄目だ。



「えぇと、何と云いますでしょうか……色々在りましてですねぇ」

「色々在りましてで何で森さんの匂いがするのかなぁ!?」



ん?森さん??



「え、知ってるんですか?」



____そう、この時点でまだ彼女は太宰の前職がポートマフィアの超ヤベェ幹部である事を知らないのである。


第三十五話 アーユーラブ・ミー?→←第三十三話 直撃からの再会



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , オメガバース   
作品ジャンル:ファンタジー
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Gal - 魔人ガーZ…なんかあったな、そんなの。ガンダムみたいな奴… (4月27日 19時) (レス) @page45 id: 6203c50de1 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - お二人共コメント有難うございます!!真逆そこに触れていただけるなんて……(笑) (3月4日 14時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(←履歴を消したバカ)(プロフ) - 瑞穂さん» 同じく!! (3月3日 23時) (レス) id: b9e38a5313 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 物語に関係ないけど、魔人ガーZ好きです (3月3日 23時) (レス) @page45 id: 18f9935b97 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - graply12さん» 私チョロいのでその言葉信じちゃいますよ……??良いんですね!?!?コメント有難うございます!!公開するのはいつになるかは分からないんですが、書き溜め作っときますね……! (3月2日 22時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラミザラ | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年10月25日 23時

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