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第二十八話 毒入り林檎 ページ29




嗚呼、良い人生だった。

死んだのに転生して凄く良いご夫婦の間に生まれて、程よく個性が散りばめられた人達に出会って、紐なしバンジーをやって、挙句の果てに闇組織の首領に誘拐されて………



否誘拐されるのが最後なんてどんな人生だよ!!!



ツッコミを入れて私はガバリと起き上がった。



「…………は?」



眼の前に広がるのは白いシーツの海、そうベットである。凄く質の良い布で出来ていて、豪華な刺繍もしてある。うわこれ絶対高いヤツゥ。

自分が着ている服も変わっていて、長いシャツへと着替えられていた。私は女子の中でも身長が高い方なので、シャツは私の太腿の上辺りまでしか無い。所謂彼シャツって奴じゃないかコレ???



「おはよう、良い夢は見れたかな?」

「んぐぅ」



驚愕し過ぎて変な声が出た。

横を見ると森さんが此方を見ながら椅子に座っていた。



「走馬灯を見ました」

「おや、其れは済まなかったねぇ。余りにも大きい声を出すものだから、他の構成員に見つからないように気絶させてしまったよ」

「あ、もしかして見付かっちゃヤバい奴なんですか……?」

「うーん、私の物だと見せ付ける分は良いんだけど……厄介事は避けたいからね」



頭の中に先刻のぴゅあぴゅあ男子が浮かんできた。あの子はきっと大丈夫、大丈夫……だよな??



「折角だから林檎でも食べるかい?毒は入ってないよ」

「じゃあ頂きます」



良く見ると手元で林檎を剥いていた。黒いコートは脱いでいるようで、首元が開いたラフな格好になっていた。……ん?首元が開いた??

狙っているのだろうか、噛んで下さいと云わんばかりに項が見えている。私は直視しないように視線を逸らした。


それにしても、森さんには赤が似合う。特に黒と合わせると最高級のイケメンの出来上がり。森さんが刀振り回して血が飛び散る所とか絶対格好良い。いや刀じゃなくてメスか。

シャリシャリと林檎を頬張りながらそう考えた。



……あれ、逃亡中じゃなかったっけ?



まぁ良いや、林檎美味しいし。これ食べ終わってから考えよう。腹が減っては戦は出来ぬ。


何時の間にか思考が切り替えられている事に、彼は北叟笑(ほくそえ)んでいた。

第二十九話 貴方は賢いのに→←第二十七話 責任取れよ



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , オメガバース   
作品ジャンル:ファンタジー
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Gal - 魔人ガーZ…なんかあったな、そんなの。ガンダムみたいな奴… (4月27日 19時) (レス) @page45 id: 6203c50de1 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - お二人共コメント有難うございます!!真逆そこに触れていただけるなんて……(笑) (3月4日 14時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(←履歴を消したバカ)(プロフ) - 瑞穂さん» 同じく!! (3月3日 23時) (レス) id: b9e38a5313 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 物語に関係ないけど、魔人ガーZ好きです (3月3日 23時) (レス) @page45 id: 18f9935b97 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - graply12さん» 私チョロいのでその言葉信じちゃいますよ……??良いんですね!?!?コメント有難うございます!!公開するのはいつになるかは分からないんですが、書き溜め作っときますね……! (3月2日 22時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラミザラ | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年10月25日 23時

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