運命の番【文スト】

第三話　生き抜く方法 ページ3

∞


「えー、お子さんの検査結果の方なんですがぁ……一応聞いておきますがお二人はβですよね？」

「はい、妻も同じく」



うーんと医者が唸った。手元の資料を見て何やら疑問を抱いているようだ。



「何方かに浮気履歴などは……」

「ありませんっ！」



二人揃ってハッキリと云い放った。周りから鴛鴦夫婦と云われるだけあって、浮気をしたことはないようだ。



「娘さんの検査結果は＿＿＿＿αです。」



無慈悲にも医師が云った。その場の雰囲気が一気に張り詰める。

嗚呼、やはりか、と両親は心のなかで落胆した。

＿─＿─＿─＿─＿


《【急募】βでもなくΩでもない、αとしてこの世を生きていく方法とは。》

そんな言葉が脳裏に浮かんだ。


二次創作でΩ×α、β×αの小説を読み漁ったことがあったが、主人公がαとか少数過ぎてあまり読んだことが無い。つまり人生攻略法を知らない。否如何すればええねん。


そんな事を考えている私を置いて行き、話が進んで行く。



「まず娘さんは非常に強いαの性質を持っておられるようで、ラットの際の体への負担が大きくなると予想されます。呉れ呉れもΩの方には近寄らないように」



しかし今は誰もが第二の性を隠す時代。誰がΩなのか、そんなの判る訳がない。辛うじて見分けが着くとすれば首につけたチョーカー位だ。



「抑制剤、などはあるんでしょうか」

「すみません、αの方への抑制剤は非常に在庫が少なくて……」



まぁそうだよな。こんな奴普通いないしな。

私が自分の未来に絶望している間話はトントン拍子に進み、気づけば家にいた。


突然だがΩはαを嫌う傾向がある。強制的に番にさせられたりするためだ。そのような被害が一時勃発したため、閉じ籠もるΩも少なからずいる。私の周りに万が一でもΩの友達がいた場合、大変な事になると思う、と云うか絶対なる。



それ故に私は決意した＿＿＿＿第二の性を隠して生きる、と。


∞

第四話　現実逃避は程々に→←第二話　違和感

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す