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第十八話 まずは犬から始めよう ページ19



同じαやΩならまだ関わるチャンスはあっただろう。だが、運命など結局は生まれ落ちた時から決まっている。それに加えて、"こういうの"は苦手なタイプの性格。

思わず「はあ」と短く吐息を漏らした。

自分では手の届かぬ領域に彼女達はいる。それはどんなに頑張っても、どんなに悔しんでも、変わることは無い。



「乱歩さん、コレですか?」



机に頬を付けていると、彼女が探し終わった様で目的の菓子を持ってきた。ムフン、と息巻く姿は完全に犬だ。

「うん、ありがと」と短く返事をする。



「お任せ下さい、何時でも貴方の力になりますよ」



云いながら二へ、と笑い掛けてくる。

まったく、そんな事を簡単に云ってしまうのは如何かと思うのだが。



「……A、一寸屈んで」

「はい」



何も怪しまず彼女は屈んだ。其の儘下がっていき、丁度頭の位置が自分の顔の下に来た。



その瞬間、ポンと彼女の頭の上に自分の手を乗せた。



脳内処理が追いつかない彼女を置いて、グルグルと頭を撫でる。彼女の髪はサラサラとしていて艶も良く、手の通りが良い。
こう云う犬は嫌いじゃあない。



「………えっと、これは一体…?」

「───僕も居るって事、忘れないでね」



「えぇ…?」と怪訝そうな顔をしたが、ワシワシと撫で付けると直ぐ笑顔に戻った。単純で扱いやすい性格、懐くと離れない習性。君前世絶対犬だろ。

でも、



「飼い主は一人に決めていたほうが良いよ」



変な輩に付き纏われちゃうかもしれないからね。

ここは矢っ張り───二ヒ、と口元に笑みを浮かべた。



「君は今日から僕の犬だ!」




____これは、江戸川乱歩が唯一判断を間違えた瞬間である。


第十九話 赤毛のアン→←第十七話 君の隣に立ちたかった



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , オメガバース   
作品ジャンル:ファンタジー
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Gal - 魔人ガーZ…なんかあったな、そんなの。ガンダムみたいな奴… (4月27日 19時) (レス) @page45 id: 6203c50de1 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - お二人共コメント有難うございます!!真逆そこに触れていただけるなんて……(笑) (3月4日 14時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(←履歴を消したバカ)(プロフ) - 瑞穂さん» 同じく!! (3月3日 23時) (レス) id: b9e38a5313 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 物語に関係ないけど、魔人ガーZ好きです (3月3日 23時) (レス) @page45 id: 18f9935b97 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - graply12さん» 私チョロいのでその言葉信じちゃいますよ……??良いんですね!?!?コメント有難うございます!!公開するのはいつになるかは分からないんですが、書き溜め作っときますね……! (3月2日 22時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラミザラ | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年10月25日 23時

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