検索窓
今日:4 hit、昨日:40 hit、合計:17,987 hit

第十二話 照れ隠し ページ12



「…………一寸失礼します」

「うお、わっ…」



至近距離のこの状況を上手く使い、彼の緑のループタイをグイッと引っ張る。其の儘近づいた首元に自身の鼻を押し当てた。

いつも首元に巻かれた包帯、それに加えて着込んだ服。嗅げる機会は早々ない。


スンスン、と匂いを嗅ぐと少々甘ったるい匂いがした。


……これは、



「何方かというと」



ツツー、と彼の喉を人差し指でなぞりながら答える。



Ω、ですかね




相手の返答はなかった。少々やりすぎてしまったか、という罪悪感と共に顔を上げた。

彼は、弱々しい声で一言。



「……せー、かい………」



片手で自身の顔を抑えていた。はみ出した耳は赤く火照っていて、抑えている手の指先も真っ赤になっていた。

人差し指と中指の間から目が見えて、パチリとお互いの目が合った。



刹那、同仕様もない羞恥心に襲われ、ふいっと顔を逸した。

鳴り止まない心臓はバクバクと音を立て、先程まで嗅いでいたあの匂いを思い立たせた。



……頭が狂うな、コレ。



口元を抑え、少しでも熱くなっている頭を冷やそうと手で顔を仰いだ。

別に照れてるとか、そういう訳じゃ無い。多分


第十三話 執拗い男は嫌われる→←第十一話 判らない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , オメガバース   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Gal - 魔人ガーZ…なんかあったな、そんなの。ガンダムみたいな奴… (4月27日 19時) (レス) @page45 id: 6203c50de1 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - お二人共コメント有難うございます!!真逆そこに触れていただけるなんて……(笑) (3月4日 14時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(←履歴を消したバカ)(プロフ) - 瑞穂さん» 同じく!! (3月3日 23時) (レス) id: b9e38a5313 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 物語に関係ないけど、魔人ガーZ好きです (3月3日 23時) (レス) @page45 id: 18f9935b97 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - graply12さん» 私チョロいのでその言葉信じちゃいますよ……??良いんですね!?!?コメント有難うございます!!公開するのはいつになるかは分からないんですが、書き溜め作っときますね……! (3月2日 22時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サラミザラ | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年10月25日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。