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第十一話 判らない ページ11



この世の中には「異能力」というものがあると知ったのはつい最近のことだ。最初に知った経験があの紐無しバンジー。敦くんの「月下獣」という能力で助けてもらった。

これはあくまで個人の見解だが、大体の異能者はαであり、稀にΩの異能者もいる。αが7割、Ωが3割程だろうか。

そこで、だ。
太宰さんは「人間失格」の異能力を持っていることから、その何方かではあるのだろう。

だが何方なのか。太宰さんが試すように云ったせいで、あの時から其の事が離れない。



「如何したの?」

「いや、何方(どっち)なんだろうなあって」



はッ、と気付いてしまってからではもう遅い。相手はニヤニヤしながら口を開いた。



「へえ、ちゃんと考えてくれてたんだ」

「そんなにニヤけないでください。太宰さん」



ムフフと奇妙な笑みを浮かべながら此方を見つめる彼。鬱陶しく思い、手元にあるコーヒーを態とらしく啜った。

現在、太宰さんと共に仕事を終わらせ、うずまきでお昼休憩中。店内に人の影はあまり無く、いるのは精々私達と数名の常連客のみだった。



「で、今の所は何方だと思う?」

「うーん……秘密です」



「えー詰まんないなあ」と云われるが無視する。


……全然判らない、なんて云えないし。


そう云えばさ、と太宰さんが口にする。


「Aさんってαだよね」

「ブフォェッ」



思いっ切りコーヒを吹き出しそうになったが寸前で止めた、危ない危ない。



「な、何故其れを____?」



引き攣る笑みで畳み掛けるように質問する。



「え、逆に判らない人なんている?その容姿でαじゃないわけ無いでしょ。
 あとは仕事の出来具合とか、その正義心とか。何処にでも突っ込んで行っちゃう性格とかはそのまんまだね。それと、指先の動かし方とか敦くんの件についてだとか色々。多分乱歩さんとか社長は気づいて───あれ、クールダウン必要?」

「…………もう太宰さんが怖い」

「えへへ、そんなに褒められるとはなあ」



褒めてないです、という気力もない。赤面した顔を相手に見られないように下を向く。



「で、結局私は何方だと思う?」



クイッと顎を人差し指で掴まれ、至近距離でそう尋ねられる。


相変わらず、何を考えているのか判らない



第十二話 照れ隠し→←第十話 紐なしバンジー



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作品ジャンル:ファンタジー
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Gal - 魔人ガーZ…なんかあったな、そんなの。ガンダムみたいな奴… (4月27日 19時) (レス) @page45 id: 6203c50de1 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - お二人共コメント有難うございます!!真逆そこに触れていただけるなんて……(笑) (3月4日 14時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(←履歴を消したバカ)(プロフ) - 瑞穂さん» 同じく!! (3月3日 23時) (レス) id: b9e38a5313 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 物語に関係ないけど、魔人ガーZ好きです (3月3日 23時) (レス) @page45 id: 18f9935b97 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - graply12さん» 私チョロいのでその言葉信じちゃいますよ……??良いんですね!?!?コメント有難うございます!!公開するのはいつになるかは分からないんですが、書き溜め作っときますね……! (3月2日 22時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラミザラ | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年10月25日 23時

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