第七十八話 ページ41
フリイダム。織田と孤児たちの幻場だったそこは、炎が燃え盛る事故現場と化した。
辺りを包む黒い煙は爆発の痕跡。そこから微かに香る血の匂いに、織田は胸を痛めることすらできなかった。
好奇心に誘われるがままにその現場に集る人々。
黒川と二人並んで、ただただその景色を見つめていた。
「織田作。……君が何を考えているか分かるよ」
「………………」
「けどやめるんだ。そんなことをしても_________」
「そんなことをしても、子供たちは戻ってこない」
随分と虚ろな声だった。現実を理解しているからこそ、言えることだった。
「この件は、まだ何か裏があるんだ」
「何かなどないよ、太宰。もう全て終わった」
一連の騒動の中心となる"何か"。
それは、ポートマフィアが異能開業許可証を得るために、織田作之助という人間を犠牲にすること。
しかし、大切なものを失った織田の前では、彼を引き止める材料にはならなかった。
「聞いてくれ、織田作。この先、君を導いてくれる『何か』に期待するんだ。
それはきっとあるはずなんだ」
「…………………」
「…私が何故ポートマフィアに入ったか分かるかい?そこに、『何か』があると期待したからだよ」
ポートマフィア。所謂裏の世界には、死や暴力、本能や欲望。そういった汚いものに塗れている。
それは、汚い部分を死に物狂いで隠そうとする人間の本質。
太宰や黒川が、何より理解できなかったものだ。
そんな世界に浸り、生きていく上で日常的に触れていれば_________
「何か、生きる理由が見つかると思ったんだ」
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とうもろこーん。(プロフ) - すーさん» ありがとうございます!!前作より劣化したかな、とか思いながら書いてたので、そう言って頂けるととても嬉しいです。今は新作の方で頑張ります!! (2022年2月16日 9時) (レス) id: 1ec8bc3000 (このIDを非表示/違反報告)
すー - めちゃめちゃ面白かったです‼︎もし続編出るようでしたら必ず読ませていただきますね…‼︎ (2022年2月15日 22時) (レス) @page50 id: bd90c5f980 (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこーん。(プロフ) - Yasi123さん» コメントありがとうございます〜!あまり自信がなかったので、満足して頂けたようで安心しました!応援もありがとうございます!! (2022年2月15日 10時) (レス) id: 1ec8bc3000 (このIDを非表示/違反報告)
Yasi123(プロフ) - 最終話、衝撃でした…でもとても面白かったです!私は続編が見たいという気持ちが強いですが、無理せずに頑張ってください! (2022年2月15日 9時) (レス) @page50 id: ea7056b992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とうもろこーん。 | 作成日時:2021年12月24日 21時