二人の行く先は。【文スト】【男主】

第五十一話 ページ12

それから一通り話をして、彼は部屋を去った。



先程の苦々しい表情を思い浮かべながら、呟く。








「…三刻構想は、建前に過ぎないのだよ」








黒川くんを、卑怯な手を使ってでもポートマフィアに居させる理由。




それは＿＿＿＿＿＿＿＿＿
















＿＿＿＿＿＿彼が"イレギュラー"な存在だから。








＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿






あの後、織田と連絡を取った俺は、坂口の部屋で合流した。


彼に、お前も安吾の捜索を頼まれたのかと聞かれたため、そう言うことにしておいた。








「…まっさらだな…」








その部屋には、何もなかった。元から設置されていたソファーと、不自然に置かれたイス以外は。



織田は一切警戒せず、そのイスに腰掛ける。








「？…通気口か？」



「…いや、違う。開けてみてくれ」









ちょうど真上の天井に、通気口らしきものがあった。

彼はイスを土台にして立ち、それを手を伸ばす。





天井裏を探ってみると、鍵が掛けられた金庫が見つかった。








「なんだ、それ？」






「！ッ黒川！！」



「ッおい！？」











…なん、だ…何が起こって……！

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