2、漆黒の修道服 ページ3
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!」
私の決死の行動で両者助かった。
岸辺の草むらの上でびしょ濡れの彼女が倒れた状態で、苦しそうに酸素を吸収している。
呼吸ができているのなら問題はないだろう。
入水の経験が豊富なことで肺がある程度保つ私は、とっくに息を整わせることができていた。
そして女性の呼吸も整い始めた頃、声を掛けようとする。
「君、だいじょ…」
「何死のうとしてんのっ!本当に死んじゃうでしょ?!」
「今君に落とされて死にかけたんだが…」
「私は助けようとしたの!なんで私が君を殺すことになるのよ!」
え〜…、と私は返答に困って項垂れた声を出した。
起き上がって漸く見えた彼女の表情は、頬を河豚のように膨らませて怒っていた。
正直私も言いたいことが沢山ある。が、その前に彼女の姿に目を奪われてしまった。
白い肌をベースに、大きな目と金色の瞳。おまけとは流石に言えない長いまつ毛。
高すぎずかと言って低すぎない、良い塩梅で形成された鼻。顔全体で見れば、若干幼さが残っている。
その様相でぷくっと頬を膨らませる彼女はなんとも可愛らしいものだ。
だがその童顔を否定するかのようなたわわな胸に、思わず顔と交互して確認するように見る。
先程、背中にこの感触があったのかと思うと、あの時もう少し堪能しておけばよかったと、つい邪なことを考えてしまう。
その由緒正しき修道服からでも強調されてしまうような大きな胸は、纏う物を無くしたらどのような神秘が見えるのだろう。
ベールから伸びる銀髪は彼女の魅力を最大限に生かされている。
「珍しい格好をしているね。君はどこかの修道女なのかい?」
「そうだけど…。てかそんなことより、さっきのきみの行動について言及させていただこうかしら」
「さっき?自 殺しようとしてたら君に突進された」
「自 殺〜っ?!そんなのいけないに決まってるでしょ!
神様からもらった命よ!大切にしないといけないでしょう?!」
彼女の膨れた顔がみるみるうちに赤くなり、更に声を荒げて私を叱る。
“突進された”という言葉より“自 殺”しか頭になかったのだろう。彼女は私が川に落ちたことを私のせいだと思ってるようだ。(半分そうではあるが)
少々面倒なお嬢さんに出会ってしまったものだ。しかし目の前にある美貌は現実のものである。
それに免じて私は反論せずに、彼女の手を取る。
「私と心中してくれないかい?お嬢さん」
そして私は彼女の平手打ちを食らった。
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ラザニア太郎(プロフ) - もちうさぎさん» もちうさぎさん、はじめまして。コメントありがとうございます^ ^可愛いと言っていただけて何よりです!そうですね…!修道服、もといシスターの着ている服を参考にデザインしました。ここで画質が悪いのが残念ですが、Twitterにも掲載しますので宜しければご覧ください (2022年11月11日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ(プロフ) - 服が可愛いしシスターって奴だよね! (2022年11月11日 16時) (レス) @page4 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラザニア太郎 | 作成日時:2022年11月9日 16時