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1、日和の河川にて ページ2

太宰side


「なんとまぁ、天気が良すぎるものだ」


某日快晴。太陽は南中近辺に位置し、今日も元気よくヨコハマの街を照らす。
そしてこの大きな河川に飛び込むには絶好の日和だ。

国木田君の目を掻い潜り、探偵社から抜け出してきた甲斐がある。
こんないい日に入水を試みないのは勿体無いにも程があるだろう。とはいえ、苦しい自 殺は御免被りたいものだが。

河川を掛ける橋の中央部分の柵に寄りかかって、のんびりと日向ぼっこをしながら川の流れを俯瞰する。
高い位置から見える澄んだ川は、陽の光を反射させてきらきらと美しく輝かせていた。

そんな美しさに目を惹かれると同時に、死への渇望も次第に大きくなる。

この世に生きる意味などない。
だから私は、今日も入水するのだ。

自然と体が柵を越え、いつでも飛び込めるように手すり部分に座る。
俯瞰していた景色に自分の足がふらふらと浮かんだ。

とても夢現つな気分だ。うまくいけばこの後死ぬ。
となれば、今の状況は生と死の境目と言っても過言じゃない。そう思うと気分が昂る。


「…今日は死ぬにはいい日だね。
そう思わないかい、織田作_______」


今は亡き旧友に向けてそっと呟いた。
そして、体を前方へ傾けながら重力に任せ、美しい河川に身を投じようとした。

その時________。


「いいわけないでしょーっ!こんのバカぁーーーっ!!」

「のわッ?!」


近くで女性の甲高い叫び声がしたと気づいて、何事だと後ろを振り返った時にはもう遅かった。

背中から声の主であろう女性に突進されつつ抱きつかれ、体がふわりと宙に浮かぶ。そしてそのまま河川へ真っ逆さまだ。

その一瞬から感じたのは、密着する女性の育ちの良い胸部の温かさ。
ちらりと見えたのは漆黒のロングワンピースに、同じ色のベールから覗かせる長い癖っ毛の銀髪。

きっとさぞかし綺麗な女性なのだろう。
そう思う暇もなく、私と彼女は大きな水飛沫をあげながら川に飛び込んだ。


バシャーンッッ!!


後ろから激突されたせいで、私は腹から河川に音を立てて叩きつけられた。

痛い、痛すぎる。冗談抜きで死にそうだ。
本望だけど、苦しいの嫌だし私の美徳に反する。

水中でもがき苦しみそうになりながら、未だに強く私を抱きしめる彼女の腕を取り、岸辺まで死に物狂いで泳いだ。

死に物狂いなら、それをする前に楽に死にたかった。
しかし見知らぬ女性を巻き込むわけにはいかない。

…否、彼女に殺されかけたと言っても差し支えないが。

2、漆黒の修道服→←プロローグ「追憶の始まり」



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ラザニア太郎(プロフ) - もちうさぎさん» もちうさぎさん、はじめまして。コメントありがとうございます^ ^可愛いと言っていただけて何よりです!そうですね…!修道服、もといシスターの着ている服を参考にデザインしました。ここで画質が悪いのが残念ですが、Twitterにも掲載しますので宜しければご覧ください (2022年11月11日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ(プロフ) - 服が可愛いしシスターって奴だよね! (2022年11月11日 16時) (レス) @page4 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラザニア太郎 | 作成日時:2022年11月9日 16時

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