新人猟犬、修行中！【条野採菊】【末広鐵腸】

31、救世主 ページ32

今ならここに隕石が落ちても構わない。



そう思えるほど、この状況に苦しめられていた。





「悪いが邪魔をしないでもらいたい、Aを離してくれないか」


「そういう訳には行かないでしょう。
今ここで私の部下がセクハラを受けていたんですから。」


「(この前条野さんも私にやってたじゃん…？！)」







もう無理だ。このまま干からびて死ぬんだ。









そう思った矢先、豪勢な高笑いが後ろに轟いた。






「青臭いことしてくれるではないか！3人とも！！」



「隊長……！」 『………。』






今私の求めていたこの場を打破する救世主が現れた。



隊長がこれまでに輝いて見えるのは、あの河川敷の出会い以来であった。






「それはそうとAくんが困っているだろう。
あと鐡腸、儂のエiロほ…、ﾝﾝ”！……本を見たの事実か？」



「はい、大切な資料だと思ったので資料室に片付けておきました。」



「そ、そうか…。じゃあ儂は資料室に行ってくる！
喧嘩は良くないぞ！仲良くするんだぞ！！」



「(どっちも最低ですね…。)」






そう隊長は念押ししながら、光の速さで資料室に向かってしまった。





「じゃ、じゃあ私、仕事に戻りますので…お先…」


「待てA」


「は、はい！！」


「これからは鐡腸と、そう呼んでくれ」


「えっ…？あ、はい！わかりました！！
わかったので！もう近寄らなくてもわかるから！！」


「鐡腸さんほんといい加減に……！！」






隊長が戻った後もこの修羅場は5分くらい続いた。

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