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3話 ページ5

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お母さんの急な怒号に怯える私を横目に、福地さんは淡々と話を続けた。


「その不思議な力というのが、異能力だ。
君の異能力は実に強大だからな。気づいたポートマフィアはこれを利用しようと、眼の色を光らせたのだ。
特務課も平凡な学生である君を護る為、隠密に動いていたが…この冷戦状態も限界が近くなっている」


冷戦…?つまり、私の知らないところで私を巡って争っていた…?

ただ普通に暮らしていただけだった。よく知らない怖そうな組織に狙われていたとは、先程の福地さんが訪問してきた時よりも身震いがした。

私はこれから何をされる…?
殺される?それよりもっと酷いこと?どうして私が…?

悪い考えばかりが浮かんで、頭の血が回らなくなった気がした。
福地さんはそんな私を見ず知らず、まるで人を変えたように、真剣な眼差しが飄々としたものに変わる。


「そこで最初の話に戻る!君が政府の組織に属すれば奴らも手を出せまい!
それにA君の異能力は対戦闘向き、正義を成す我々にとって悪を噛み砕く優良な人材となる」

「正義…?」


真っ白になった頭が何故かその一言を拾った。

何処かで望んでいた、私の子どもじみた夢。
画面の中だけの憧れだった、誰かを護る美少女戦士たち。

福地さんが言っていることは、そんな簡単なものではないとわかっている。
だけど、どうしてだろう。途端に胸の鼓動が速くなって体が熱くなる。


「…本当に、私にできるんでしょうか?」

「それは儂も分からん。だがあの少年を助けた時、君はそんなことを考えていたか?」

「っ!…そんな訳ない!体が勝手に動いてたんです。
あんな弱いものいじめ…見て見ぬフリできるわけないから!」


はっと、思わず息を呑む。
気づけば、私は身を乗り出していた。福地さんはそんな私に目を丸くする。
恥ずかしくなって顔を赤くしながら、元の位置に下がった。


「…異能力もそうだが、その心意気が何より欲しい。
この道は厳しいし、マフィアから逃れる為には現状これしかない。
選択肢はないぞ。覚悟はできているか」

「…っ!」


さっきよりも凄みを増した真剣な眼差しが、此方を捕らえて離さない。

“選択肢はない”。一本の茨の道が、私を待っているのだろう。
だがそれは誰かを護る道、私が憧れていたものがそこにあるのなら_______。


「…はい!私、やります!!美少女戦士みたいに!」

「美少女戦士?」

「いっ、いや…、最後のは聞かなかったことにしてください…」

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とっふ - わぁ……夢主ちゃん可愛い…最高ですね! (1月3日 17時) (レス) @page2 id: 521a35a539 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - 最高です!続き楽しみにしてます!! (9月21日 20時) (レス) id: 2822ecfe2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラザニア太郎 | 作成日時:2023年3月27日 22時

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