新人猟犬、修行中！-再編版-【条野採菊】【末広鐵腸】 (ページ7)

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5話ページ7

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「____という訳で、急所を撃たれたA君は医療機関での治療が見込めず、異能技師による生体手術を受けて今に至る」

『………。』

「あ、あはは…」

命があって良かったとは思うが、この沈黙には死にたくなった。

みんなの視線が…！痛いとかそういうレベルじゃない…！！
ずっと前から覚悟決めてたのに、もうやめたくなってきた…！

「ま、まぁ異能力の強さは確かだ！さあ諸君、彼女に自己紹介をしてやってくれ」

福地さん…____隊長が場の空気を取り直すように声を張る。
対して目の前の三人の表情は変わらず、銀髪のお兄さんに関しては更に溜息を吐いてしまった。

「納得はできませんが…、まぁいいでしょう。
私は条野採菊、宜しくお願いします」

「はいっ、よろしくお願いします。条野さん」

銀髪のお兄さん…_____条野さん自らが手を出してくれた。
ほんの少し安堵しつつ、握手をする。だが条野さんの表情はあまり歓迎していないように見えた。

「俺は末広鐵腸、宜しく頼む」

「鐵腸さん…、いい加減服を着なさい。
自己紹介する姿勢じゃありませんよ。あと汗臭いです」

「む…、そうか」

条野さんに悪態を吐かれながら、黒髪のお兄さん…_____鐵腸さんは徐に服を着始める。

よかった…。そんな肉付きのいい身体を晒していると、目のやり場に困る…！

「改めて、宜しく頼む」

「はい、よろしくお願いします」

そうして、鐵腸さんとも握手を交わした。
残るのは…。

「儂は認めぬぞ！第一、何故隊服にミニスカートなんぞ巫山戯た格好をしておる！？」

「落ち着き給え燁子君。彼女は美少女戦士？というものに憧れを持っていてな。無理のない範囲で模した結果がこれだ」

「そうなんですか？！」

「えっ、違ったか？！」

思わず声を荒げてしまった。

驚愕の事実だった。確かに、燁子君…と呼ばれる女の子はスカートじゃなくズボンだ。
隊服が支給された時は、これで戦うのか…。とは思いつつ、可愛いからいっか！と自己完結してしまったが、まさかそんな経緯があったとは。

隊長があの時の私の一言しっかり覚えていたなんて…。

羞恥心を拭って、女の子の方に向いた。
しっかり自己紹介をしなければ…。

「えっと…、燁子ちゃんで合ってるかな？よろしくね！」

「あ゛？」

横暴な子だとは思うが、年端の行かない女の子。などと見た目で判断したのが間違いだったのだろう。

それに気づくのは、彼女のただならない殺気が放たれてからだった。