よん、 ページ6
___「青鷺の宴」、気儘で我儘な私の異能。
今回敵対した組織の根城が遠方にある事、また多方向からの奇襲攻撃を仕掛けるのを得意としている事。
情報が少なく不透明であるものの、厄介な異能者が居るという噂を耳にした事。
最近制御出来る様になった私の異能は首領によるとかなり敵側に対して有効な様で、私は戦線に立った。
__ずきり、頭が痛む。此処からの記憶が曖昧で、薄らかだ。駄目だ、如何しても____
躰が強張り、彼の手を受け入れられない。
ひッ、と小さく声を上擦らせると、彼は
腹に一物ありそうな、そんな表情。
『や、やだ、太宰さ、』
首へと伸ばされた手はするりと腰へあてがわれ、其の手付きにびくりと肩を震わせる。
そして寝台に躰を乗せ、私の首筋に顔を
『…ッぅあ、』
知らない、こんな、こんな人知らない。
私の知ってる太宰さんじゃない。
私の知ってる太宰さんは、怜悧で、常に冷静で厳しい
「……そんなに怯えなくとも。まァ当たり前か、記憶が混濁しているし、ね」
埋めていた顔を緩りと上げ私の表情を見れば、くすりと一笑い。空いた片手で頬を撫で、流れる儘に私の唇を奪った。
『ッ、だざ、ん…ぅ、んん、ッ』
何度も何度も角度を変え、隅々迄愛し尽くす。
苦しい、苦しいです太宰さん、違う、太宰さん、だってこんな、こんなの可笑しいよ。
冷静になんて、成れなかった。此の人は其れを判って、私の心を漏れ無く凡て読み取った上で、言葉を紡ぐ。
「……ッは、…善いよ。Aは何も考えず、只私に愛でられていれば其れで善い」
『ッ、はぁ…太宰さん、如何して……』
「如何して?愚問だね、自分で考え給えよ」
『だ、って、判らない……思い出せないんです、』
「思い出さずとも、此の状況を受け入れれば其れで問題ないのだ卦度?」
『無理、です、よ。こんなに怖い、のに』
「怖い?目覚めたら拘束されていた上記憶が抜け落ちていたんだものね、可哀想に」
本当、私に目を付けられて可哀想。と口にすると、闇深い瞳に私の姿を映し、また接吻をする。
腰に添えられていた手はいつの間にか
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伊波トウナ(プロフ) - えっおわりです…?! (2023年2月16日 11時) (レス) @page17 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
湯川 - 終わっちゃったよ…あと26回くらい見れる笑 (2021年11月27日 7時) (レス) @page17 id: b53f4168a8 (このIDを非表示/違反報告)
天ぷら - 終わりなんですかぁぁぁぁぁぁあ (2021年9月12日 10時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 素晴らしいです。更新待ってます。 (2018年11月25日 1時) (レス) id: a0d4f48c92 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 太宰さんの一方的で押し付けるような愛の形が好きすぎて…!支配的な愛情表現がたまりません!応援してます! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千紘 | 作成日時:2018年8月9日 16時