五話 ページ7
「___________ 乱歩さんッ!!乱歩さんたらッ!!」
谷崎の乱れた声が昼の横浜の響く
道行く人は誰もが走っている谷崎と乱歩を見ながら不思議そうな顔をしていた。
「乱歩さんッ!!........はぁッ!!はぁッ!!.......」
一体どのくらい走ったのだろうか、谷崎の頭の中でそう疑問が浮かび上がる。
自分より五
何故こんなことになったのか。
事の発端はこうだ。
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「乱歩さん、一応確認をしときますけど今回は『殺人鬼探し』であって『殺人鬼確保』ではないですからね。」
人通りが少ない路地裏、谷崎は調査書をつまみながら前に歩いている乱歩に話しかけた。
谷崎の言葉に乱歩はヘラヘラした様子で返した。
「分かってるよ。僕だってそこまで馬鹿ではないし、大体君にしたって僕にしたって能力が戦闘向きではないんだ。手を出したらボロ雑巾になるのは御免だしね。」
分かってくれたような分かってくれてないような様子に谷崎は多少の不安はあったものの、
せっかくの乱歩との仕事ということだったためその不安を押しつぶすことにした。
そして手に持っていた調査書を前にいる乱歩に渡した。
「今までの現場の様子や遺体状態とかが書いてあります。最後に起こった事件の状況なンですけど.............」
「あー、いーよいーよ。そういうの。」
しかしその調査書を谷崎に無造作に返し、動かしていた足を止めくるりと谷崎の方へと体を向けた。
「『ここ』がその事件現場でしょ?」
突然の発言に谷崎は少し戸惑った。
行き先は告げていなかったはず、そう思っている間に乱歩はいつの間にか眼鏡をかけていた。
「何、そんな顔することないでしょ。このくらい僕にとっては朝飯前に決まっているじゃん。」
細い目を少しだけ開けてニヤリと笑う。
幾度とその場面を見てきたのにどうしても慣れない『この』感覚が谷崎を襲う。
そして始まる。
『超推理』
「これは__________ 」
先に口を開いたのは乱歩であった。
ほんの数十秒の間に乱歩は何か探りだしたのだ。
「乱歩さ ___________ 」
推理し終えた乱歩に話しかけようとした谷崎であったがそこにはもう乱歩はいなかった。
乱歩は突如、とてつもない速さで前を走りだしていたのだ。
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夏蜜柑(プロフ) - さけられるチーズさん» コメントの返信が遅くなってしまいすみません。応援ありがとうございます。これからも頑張って書き続けますのでよろしくお願いします(^^) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 4b1740a2d9 (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - これからどう芥川さんにいくか気になります!♪( ´▽`) 更新頑張ってください! (2015年7月3日 19時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 中矢さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。期待に答えられるよに書いていきますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: 61e9595a71 (このIDを非表示/違反報告)
中矢(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私も原作読んでます。いいですよね!続き頑張ってくださいね! (2015年5月3日 19時) (レス) id: 7f7dd8e1cd (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 禁煙Dutchさん» ありがとうございます。更新を頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (2015年3月29日 21時) (レス) id: 9f8193b493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏蜜柑 | 作成日時:2015年3月20日 20時