四十五話 ページ47
「えェ！？ちょっと！！」
突然攻撃を仕掛けてきた芥川にAは驚きつつ、紙袋を片手に何とか避ける。
しかし必死に避け続けていた所為か、気づけばAは路地裏の奥へ奥へと追い込まれていた。
前を見れば立ちはだかる煉瓦の壁がAの行く手を遮っていた。
「ははは……。先ずは落ち着こうじゃないか、芥川。いきなり攻撃するのは間違ってるぜ。」
壁を背に、Aは目の前にいる芥川にそう言い放った。
迫り寄ってくる芥川は表情を変えずにただ、Aを見ているだけだった。
「それにしても、本当に久方ぶりだなァ。『あの時』に比べるとお前さん、随分小綺麗に成ったもんだ。」
芥川は無言で一歩、Aへと近づく。
「貧民街に居た時はまだ解らなかったが……真逆異能力者とは……驚きだぜ。」
そして更にもう一歩、近づく。
「そういや、その時一緒にいた妹はどうしている？元気か？」
芥川とAとの距離はもう拳一つ分程度だった。Aが持っていた紙袋は両手で抱え込んでしまわれグシャグシャになっていた。
「そのォ……何か喋っていただかないと解りあえることも解りあえないのですが……。」
その時だった。
芥川の黒獣が突如としてAの身体を拘束し、壁に打ち付けてきた。
ギリギリと締め上げる黒獣にAは思わず持っていた紙袋を落としてしまった。
「グ……！！ァｧｧ…… ＿＿＿＿＿ 」
「 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ だ 。」
芥川から小さな言葉が、漏れた。
Aは必死に抵抗しながらその声に耳を傾けた。
「何故嘘をついた！？何故守れもしない約束などした！？！？」
「………どうい…う……ことだ。」
「！！」
Aの言葉に衝撃を受けたのか、芥川が思わず彼女の拘束を解いてしまった。
そのお陰でAの身体は床に倒れ込み、激しい咳と息苦しさが彼女を襲った。
「ゴホッ……いや、お前さんのことは覚えてるよ……。ただ、何か約束ごと……したっけ？」
「 ＿＿＿＿ ｯｯ！！貴様！！」
なだめるつもりが逆効果だってことにAは焦り、紙袋から転がり出た「それ」を思わず手に取る。
「おおお落ち着けって！！取り敢えず『これ』でも食べて落ち着こうや。な？」
そう言ってAが差し出した手の中にあったものは、無花果のパンだった。
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夏蜜柑(プロフ) - さけられるチーズさん» コメントの返信が遅くなってしまいすみません。応援ありがとうございます。これからも頑張って書き続けますのでよろしくお願いします(^^) (2016年5月2日 17時) (
レス) id: 4b1740a2d9 (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - これからどう芥川さんにいくか気になります！♪( ´▽｀) 更新頑張ってください！ (2015年7月3日 19時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 中矢さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。期待に答えられるよに書いていきますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: 61e9595a71 (このIDを非表示/違反報告)
中矢(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私も原作読んでます。いいですよね！続き頑張ってくださいね！ (2015年5月3日 19時) (レス) id: 7f7dd8e1cd (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 禁煙Dutchさん» ありがとうございます。更新を頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (2015年3月29日 21時) (レス) id: 9f8193b493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏蜜柑 | 作成日時：2015年3月20日 20時
