三十七話 ページ39
俺のその言葉に所長は勿論だが、樫原がえらい嬉しそうに俺の背中をバンバン叩いてきやがった。
「本当ですか！いやぁそれは大変有難いことでございます。何とお礼を申し上げたら…。」
「よっしゃぁ!!中也がくーる！中也がくーる！」
二人の様子に俺は心の中で大きなため息を一つだけついた。
えらいことになったかもしれねぇ、そう考えていると所長が俺の傍に寄って耳打ちをした。
「私のような下っ端に言われるのも何だと思われますが……中原様もこいつの、L-222についてはどうか他言無用でお願い致します。周りに露見しますと少々、『厄介』なもので…。」
「……おう、解った。」
また、違和感がその時に感じられた。
俺はとうとう本当に引き返せなくなっちまったってことだ。
だが、後悔は微塵もしていなかった。
どうしても確かめなかゃいけねぇと思ったからだ。
「なぁ、先生！中也が来てくれるときは前もって教えてくれよ！話すことを考えたいからさ！」
「解った、解った。お前に約束してやろう。必ず教えるから。」
一見、仲がよさそうな研究者と
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「ふぅん、で中也はそのまま逢い引きをしていたと。」
「何が逢い引きだ青鯖!!!!」
またもやカウンターをどん、と叩き新しく入れ直されたカクテルがぐらりとグラスのなかで揺れる。
「でもさぁ、どうして首領に伝えなかったわけ。『普通』は直ぐに報告をするでしょ。」
「けっ！別に相手を無視して報告しても善かったことではある。ただ、俺が報告したことによって樫原の順調な実験が阻害されるのはこっちにとっても向こうにとっても虫の好かない話だろ。」
早口で喋り終えた後、目の前の真新しいカクテルを一気に口へ運んだ。
その様子に太宰も自分の二杯目のカクテルを少しだけ口へ含んだ。
「まぁ、森さんなら直ぐさまその研究について言及するだろうからね。確かに無駄な障害ではある。しかもポートマフィアの戦力補充も遅れる……悪いことだらけだ。しかも ＿＿＿＿ 」
「そうだ、何より俺がその『違和感』の正体を確かめたかった。」
「だよねぇ。」
太宰はグラスの縁についている檸檬を外し、それを口へと投げ込んだ。
「それで…結局その『違和感』の正体は解ったのかい？」
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夏蜜柑(プロフ) - さけられるチーズさん» コメントの返信が遅くなってしまいすみません。応援ありがとうございます。これからも頑張って書き続けますのでよろしくお願いします(^^) (2016年5月2日 17時) (
レス) id: 4b1740a2d9 (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - これからどう芥川さんにいくか気になります！♪( ´▽｀) 更新頑張ってください！ (2015年7月3日 19時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 中矢さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。期待に答えられるよに書いていきますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: 61e9595a71 (このIDを非表示/違反報告)
中矢(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私も原作読んでます。いいですよね！続き頑張ってくださいね！ (2015年5月3日 19時) (レス) id: 7f7dd8e1cd (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 禁煙Dutchさん» ありがとうございます。更新を頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (2015年3月29日 21時) (レス) id: 9f8193b493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏蜜柑 | 作成日時：2015年3月20日 20時
