三十二話 ページ34
「『人工』の……異能力者……!?」
敦はただでさえ丸い自分の目を更に丸くした。
与謝野の不可解な話に敦の頭はついていけなかった。
「ちょっと待ってください!人工って…!?いや、そもそもそんな実験が……!」
「嗚呼全くもう本当に騒がしい奴だね、アンタは!言っただろう、
与謝野の言葉に敦はまた、動悸が高鳴っていく。
「つまり……彼女はもとはただの『一般人』だったわけですよね…。」
「そう、アンタの言う通りさ。もとは『一般人』の樫原A、今は『人工』異能力者の樫原A。………因みにこれはポートマフィアも絡んでいるよ。」
「ポート…!マフィアが…!?」
敦が真っ先に思い浮かべたのは言うまでもない、芥川だ。彼にとって芥川との思い出はよいものとは決して言えない。そんな芥川が属するポートマフィアがどのような形で彼女に関わったと言うのだ。
「そう、奴らはその研究を……『一般人を異能力者にする』という研究をしている輩たちに支援金を出していたんだ。」
「何で…わざわざそんなことを……。」
「さぁ、妾には確実なことは言えないよ。まぁでも多分戦力強化のために優秀な人工異能力者が欲しかったんだろうねェ。」
目の奥が痛くなる。敦は与謝野から発せられる言葉が未だに信じられなかった。『人工異能力者』、それが樫原A。
そして、その裏ではポートマフィアが関わっている。
「因みに…その研究所は既に無くなっているよ。ポートマフィアによって跡形もなく潰された。」
「潰された…!?だって、それって…。」
「話すよ、話すから黙って聞いてな。」
落ち着きのない敦を鋭い目付きで大人しくさせる与謝野。彼女はもう一度椅子に座るとその口を静かに開き始めた。
「 ……その『人工異能力者』の研究、実際上手くいってなかったンだってねェ。ずっと『失敗作』ばかり。おまけに諦めていた研究員の一人がマフィアからの支援金を横流しにしていたらしいよ。」
「『失敗作』……、横流し……。」
「そうさ、ここまでくれば解るだろう?今まで支援していた奴らは大した成果も挙げない、その上資金の横流し。ポートマフィアは腸煮えくり返っていただろうねェ。」
与謝野が話を続けようとしたとき、敦は敦は手を上げて発言した。
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夏蜜柑(プロフ) - さけられるチーズさん» コメントの返信が遅くなってしまいすみません。応援ありがとうございます。これからも頑張って書き続けますのでよろしくお願いします(^^) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 4b1740a2d9 (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - これからどう芥川さんにいくか気になります!♪( ´▽`) 更新頑張ってください! (2015年7月3日 19時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 中矢さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。期待に答えられるよに書いていきますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: 61e9595a71 (このIDを非表示/違反報告)
中矢(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私も原作読んでます。いいですよね!続き頑張ってくださいね! (2015年5月3日 19時) (レス) id: 7f7dd8e1cd (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 禁煙Dutchさん» ありがとうございます。更新を頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (2015年3月29日 21時) (レス) id: 9f8193b493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏蜜柑 | 作成日時:2015年3月20日 20時