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十六話 ページ18

バンッ、と勢い良く探偵社のドアが開かれた。
皆の視線が一斉に集まる。
そう、そこにいたのは





「鏡花ちゃん……。」




長い黒髪を二つに分けて結っている幼い少女、泉鏡花がそこに立っていた。

手には買い物袋をぶら下げており、もう片方
手にはいたって平凡な茶封筒をつまんでいた。



「これ………渡された。」



そう言って敦の目の前まで歩いてきて渡した封筒は切手もついていない代物であった。
そして封筒の表面にはこう書かれていた。



「武装探偵社、中島敦殿………?」



その言葉にコクリと頷く鏡花。



「よかったじゃない!君宛に初めての依頼だよ!まぁ、事件だったら僕が代わりにやってあげてもいいんだよ?」

「ははあ、考えておきますね……。」



乱歩の呼びかけをするりと回避した敦。
皆の視線が注がれる中近くにあった鋏で封を切っていく。
そして中から細長く白い便箋を取り出してその中を読む。



「…………!!!!」



「おい、敦。どういった内容だったんだ。」



国木田の問いかけに敦は固まっていた脳味噌を再び起動させた。


「あっと、えっと、その!何か近場でツチノコがコサックダンスをしていてそれが近所迷惑となっているらしいので捕獲してほしいとの依頼です!」

「はぁ?お前、何を言って_____ 」


意味の分からないことを言っている敦から手紙を取り上げようと国木田が近づく。
しかし敦は慌てて距離をとり、かけ足な口調で言う。



「こ、この依頼は僕一人で十分だと思うので早速行ってきますね!三十分ぐらいで帰ってくるので!では失礼します!」



そして鏡花にありがとう、とお礼を言って颯爽とその場を後にして行ってしまった。


取り残された社員は皆怪訝そうな顔をしてドアの方向を見つめていた。



「いいのかい、太宰。(アタシ)はこの後敦の治療をするのは御免だよ。」



深い溜息をはいて太宰の方へと目をやる与謝野。
太宰は口に手を当ててドアの方向を睨みつけていた。


そして開く口





「ここは………敦君に一任しよう。」

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 芥川龍之介 , 中原中也   
作品ジャンル:恋愛
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夏蜜柑(プロフ) - さけられるチーズさん» コメントの返信が遅くなってしまいすみません。応援ありがとうございます。これからも頑張って書き続けますのでよろしくお願いします(^^) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 4b1740a2d9 (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - これからどう芥川さんにいくか気になります!♪( ´▽`) 更新頑張ってください! (2015年7月3日 19時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 中矢さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。期待に答えられるよに書いていきますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: 61e9595a71 (このIDを非表示/違反報告)
中矢(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私も原作読んでます。いいですよね!続き頑張ってくださいね! (2015年5月3日 19時) (レス) id: 7f7dd8e1cd (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 禁煙Dutchさん» ありがとうございます。更新を頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (2015年3月29日 21時) (レス) id: 9f8193b493 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏蜜柑 | 作成日時:2015年3月20日 20時

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