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Aってあんな積極的な子だったっけ??
「…やられたなぁ」
顔が熱い。
今すぐにでもAを追いかけて捕まえたい。
抱きしめてやりたいけど。
「…いつ、治んのかな」
自分の体を見て、不意に口から出る言葉。
手は動かす時少し痛いくらい。
手はすぐ治ると思うけど。
足、なんだよな。
右足は動かすことすら出来ないし、左足は動かしちゃ駄目、とでも言うようにしっかり固定されてしまっている。
「早く治んない、かなぁ…」
小さく呟いた言葉は、静かな病室に吸い込まれて消えていった
[失礼します]
わけでもなく。
「…あ、はい」
医者オーラを放つ人が入ってくる。
俺より若いと思う、男の人。
[足の事ですが]
と続けて言われる。
[リハビリをしなければ、もう歩くことも出来ない状態なんです。リハビリ…しますか?]
いやするでしょ。
怖いよサラッと歩くことも〜って言わないでよ。
「…します」
[分かりました。では明日から少しずつしていきましょう。
…あと]
明るい口調で続けるお医者さん。
[Aの、彼氏さん…ですよね。
記憶が戻ってなによりです]
「…あ、ありがとうございます…?」
[あ、申し遅れました。私はAの兄の品川優(ユウ)です]
にこ、っと笑うその笑顔は、Aにそっくりで。
「…あ!!えと、菊池直也です!!!!」
[うん、知ってるよ。Aに聞いてるからね。菊池くんって堅苦しいの嫌だし。前みたいにきっくんって呼ぶね]
「……あれ、フジ?」
この声、聞いたことあるな、と思っていたら。
[えええ、気付くの遅くない!?]
とっくに気付いてるのかと!!!!、と続ける。
「はぇ〜〜、お前Aの兄貴だったのか。初耳」
[えぇ…、Aに聞いてるのかと…]
「兄貴がいる事すら初耳」
[Aあいつぅうう!!!!]
「うるせぇ」
[もういいし!?きっくんのリハビリすっごい厳しくするもんね!!!!]
「いやなんで俺!?」
ピシャンッ、と音を立てて扉が閉まる。
「リハビリ、か」
頑張ろ、とだけ呟いて俺はベッドに潜り、目を閉じた。
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ふらっち(プロフ) - うずらさん» 両思いやんクソうれぴよ。ピブー( ˇωˇ ) (2017年7月10日 19時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ふらっちさん» 両思いだ(´・ω・`)やった(´・ω・`)(謎のテンション) (2017年7月10日 18時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» ありがとうございます…( ˇωˇ )お友達なりましょ…??( ˇωˇ )好きです…( ˇωˇ ) (2017年7月10日 15時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - めっさ面白い……(´・ω・`)作者さんとお友達になりたい(´・ω・`)すき(´・ω・`) (2017年7月10日 9時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - なーやさん» 読んで下さったんですか!?ありがとうございます…!!更新頑張りますね!! (2017年3月27日 16時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらっち | 作成日時:2017年3月22日 18時