宮っちになりたい！【Miya×Tama】

ドキドキの始まり…1 ページ1

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　私、佐藤Aは今月からキスマイのヘアメイク担当になった。


　今日は朝から雑誌の撮影。キスマイのメンバーはメイク室へ移動し、鏡台の前に座る。


　私はメイク道具を持って、玉森さんの後ろに着いた。実は密かに玉森さんが好きなんだけれど、その想いは誰にも打ち明けていない。打ち明けたら、きっと担当を外されてしまうだろう。


「よろしくお願いします」と軽く挨拶してから、化粧下地やファンデーションを彼の肌に塗っていく。玉森さんは疲れているのか、眠たそうにしていた。眠気でぼーっとしている彼は、子どものように無防備で愛らしい。


　キスマイのヘアメイク担当と言っても、メンバーに必要以上に話しかけてはいけないし、連絡先を交換することも許されなかった。


　でも、彼の側で仕事できるだけで幸せだった。お金を払ってコンサートに行かないとキスマイに会えないファンから見れば、十分に贅沢な環境だ。このささやかな幸せを壊したくはなかった。


　ヘアメイクを終えたメンバーは、撮影スタジオへと移動する。撮影の間は、必要に応じてメンバーの髪やメイクの乱れを直したりしていた。


　宮田さんと玉森さんは相変わらず仲良しで、休憩時間に二人でボクシングごっこをしたりしている。そんな二人を見ていると、心が和んだ。


　いつもだいたい玉森さんの方から宮田さんにちょっかいをかけて、構って欲しいとアピールをする。ツンツンしていても、本当は宮田さんのことが大好きというのが、痛いほど伝わってくるんだ。


　こんなに愛されてる宮田さんは羨ましいし、一日だけでいいから宮田さんになりたいなぁと思ったことが度々ある。


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