夢ならどうか覚めてくれ No.3 (ページ18)

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貴人、変人、王 2 ページ18

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｢…詰まらん｣

『そりゃどーも。悪い事をしたな』

生憎悪役になる気はないんでね。

大人しく諦めてくれ。

だがしかし俺はアイツを殴る事に関しては諦めていない。

『…というか、お前ほんとに誰だよ。名前くらい言ったらどうだ』

｢興醒めしたから君にいう名前なんか無いね｣

『んだそれ』

変な奴。

力の事といいさっきの物言いといい…。

変な奴だけどこいつは間違いなく何かを知っている。

｢…ま、そろそろ覚醒も近いようだし？僕は楽しみに待ってるよ。君がどうするのかをねHeretic(異端者)｣

『…おいその異端者って、あれ？』

瞬きの間に、目の前から男の姿が消えていた。

ただ飲み終えたカップは置かれている。

まさか一瞬で消えたのかあいつ。

『はあ…警戒して損した、悪いなバディ』

感情の歯止め役として腕に巻き付けたバディを影に戻す。

カサッ

『ん？』

ふとポケットから何かが擦れる音がした。

手を突っ込んでみると、お金が入ってる。

可笑しいな俺はポケットに金突っ込んでなんか…待った、なんかお金と一緒に紙が入ってる。

《今回は僕の奢りだ、せいぜい楽しませてくれよ。A･ヤオ。言いたくなかったが僕の名前は変質者でもストーカーでもない。僕は堕落王フェムトだ》

『…何その厨二病的な名前』

というか奢りなの。優しいね。

何だか、色々情報収集ができたな。先日の賤厳さんといい、堕落王…ていう奴からといい。

…それでもまだまだ調べなきゃならないだろうな、謎は多いし未知なものだし。

『…お前が話してくれたら、それこそ苦労はしないんだけどな』

などとぽつり呟く。

まあ植物相手だし喋らないけどねー知ってたー。

…それから俺はコーヒーを飲みきって空中楼閣を後にした。

お代はもちろん堕落王のお金で支払って。

またいつもの様にバディに乗ってライブラへと帰って行った。

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｢少しは求めなよHeretic、君はこの世に二人と居ない…最も神に近い人間なのだから｣