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漆拾弐 ページ26

朝霜の匂いが、少しした。


朝が近いからといって、油断してはいけない。


気づかれないように、こちらに気を留めさせなければ。


「手負いといっても…俺は容赦しないぞ!!」


『な、れば…!殺すつもりで、殺してみろ…!!』


殺気が強い。


嗚呼、心が折れそうだ。


一瞬でも気を抜けば私は死ぬ。


死んでしまえば、そこで終わり。


挑発何て、柄ではないのに。


猗窩座が仕掛けようとしている。


次また喰らえば、しばらく立てない。


それ所か反撃すら難しくなるだろう。




破壊殺・空式!!




避け、きれない。


反動すら、この技は怪我を負う。


脚に力を集中させる。


横に飛び引いた。


反動がくる。


身体を傾けて、精一杯の所で避けきった。


攻撃が止む。


即座に刀を構えて、身を低く。




雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 四連!!




地を駆ける、飛ぶ様に。


音が轟く、稲妻の様に。




ザンッ!!




斬れる音。


腕を、斬り落とした。


「…ちぃっ!」


それで初めて、猗窩座の気配が"焦り"に揺れた。


いける。


押せている、確実に…!!





猗窩座side


俺が、押されている?


傷だらけの、杏寿郎よりも劣っていて、目も見えない欠落した鬼狩りに?


「…ちぃっ!」


即座に腕を再生させる。


鬼であればこの程度、ただのかすり傷だ。


落ち着け、焦るな、確実に殺せ。


鬼狩りを…Aを殺せ。


そして杏寿郎を鬼にする。


鬼にして、永遠に戦い続けたい。


「舐めるな鬼狩り…舐めるなA!!これで俺が引けを取るなどと、思い上がるな!!」


動きだけは素早いが、こいつは今ここで__




____待て、今は何時だ。




夜明けはいつだ。


日の出は、どこから。




ザクッ!!




「!!」


『…か』


「何…?!」


『…逃がすものか。お前の墓場は、この場所だ!!』


この、鬼狩り…!!


これだけ怪我を負っているはずなのに、威力が先程より増している!


本気で俺を留めるつもりなのか…!!





Aside


腕を斬り落として、僅かに勝機が見えたかと思った。


だが、やはり鬼は鬼。


腕は即座に回復する。


「舐めるな鬼狩り…舐めるなA!!これで俺が引けを取るなどと、思い上がるな!!」


猗窩座が叫んだ、その時だった。


はたと一瞬、殺気が消える。


夜明けが近いと、猗窩座は勘づいたのだ。

漆拾参→←漆拾壱



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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年11月30日 16時

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