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肆拾捌 ページ2

「うおおおお!腹の中だ!!主の腹の中だ、戦いの始まりだ!!」


「うるせーよ!」


『あっはっは』


揺れる列車の中、私達はある人物と合流すべく進んでいた。


その人物とは、炎柱 煉獄杏寿郎である。


『やァしかし…足場が揺れますねぇ、こらァ剣技も安定しなさそうだ』


「大丈夫ですよAさん、転ばないよう俺がしっかり支えますから!」


『面目ねェ、頼んます』


現在、私の手を引くのは竈門炭治郎君。


彼の手は以前も思ったが、固くてざらざらしている。


大人顔負けの手にも思えた。


「…えっと、柱だっけ?その煉獄さん。顔とかちゃんとわかるのか?」


善逸君が炭治郎君に問い掛ける。


そう言えば、炭治郎君は柱合会議で柱の方々と顔を合わせたと聞いたが…。


煉獄さんの顔も見たのだろうか。


「うん、派手な髪の人だったし匂いも覚えているから」


…何と。煉獄さんは派手な髪の色をしているのか、初耳だ。


『…炭治郎君、因みに煉獄さんはどんな髪色してたんですかい?』


「え?ああ、そうですね。一言で言うなら、それこそ炎の様な髪色でしたよ。珍しいなと思いましたし」


『へぇ、炎の様な…』


何時か認識した気の揺らぎ。


あの時も、連想させられたのは炎の様な気がする。


『…フフ、素敵な御方だねェ』


「え、ちょ、Aさん今の笑顔何?!めちゃくちゃ美人だったんだけど!?」


『寝言は寝て言いなせェ。私の笑顔なんざ散々見ただろう?』


「今のはそれとこれと違ってたよ?!」


キャーッと善逸君は声を上げる。


そんなに私の笑顔が良かったのだろうか、はて。


「あ、もうだいぶ近づいて…」


「うまい!」


わっ、とまた善逸君が声を上げる。


私からしたら、随分と久しぶりな声だ。


「うまい!うまい!うまい!」


…ただ、何かを連呼している様で気付いていない様子。


声の方に顔を向ける。


周囲の人の気配より一層強く、逞しく揺れる気配がそこにあった。


私達が近づいても気付かぬ様で、善逸君が炭治郎君に耳打ちする。


「あの人が炎柱?」


「うん…」


「ただの食いしん坊じゃなくて?」


「うん…」


なるほど、煉獄さんは食事中と…。


だから気付かないのだろうか。


「あの…すみません。れ、煉獄さん」


「うまい!」


「あ、もうそれは…すごくわかりました」


炭治郎君の声が小さくなっていく。


…ふむ。


『煉獄さん』


「うま…よもや!!」


声を掛けると、気配が激しく揺れた。

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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年11月30日 16時

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