女子会 ページ46
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「Aっち、好きな物頼んでいいからね〜」
『…はい』
バレンタインのお返しを貰った次の週の事。
現在地はカフェ。
メニューとにらめっこ中。
(なんで俺はここにいるんだっけ…)
ぼんやりとした頭は思うように働いてくれない。
とにかく何か甘い物が食べたいな。
『…じゃあビターチョコレートケーキと、あとは紅茶で』
「あらいいの?それだけで」
『俺遠慮するタイプなんで。他にも頼んでいいならまた後ほど』
「通りで少食な訳なのねA、ちょっと羨ましいわ」
『何言ってんすかチェインさん。チェインさんも十分細いでしょ』
今この場には、女性という女性しかいない。
男がいるのはちょっと不釣り合いな場所である。
そう、俺は今…女子会に参加しているのだ。
まあそれはさて置きメニューとのにらめっこは終わり。
机に突っ伏した。
あの日以降、寝不足が続き目の下にはくっきりとした隈が出来てしまい、ライブラの女性陣に心配される羽目に。
なので、俺の息抜きを兼ねて女子会と名乗りカフェに来て今に至る。
暫くして運ばれてきたビターチョコレートケーキと紅茶のセット。
寝不足で若干疲労気味の身体にこの苦さは程よい。
一口運んだだけで気持ちが安らいだ。
「…美味しい?」
『…んい』
「ふふ、可愛い顔するわねAっち」
K・Kさんに言われたら嬉しいなその言葉。
何か久しぶりにほっとした。
この1週間まともにスティーブンさんと話せてない。
というかなぜか避けている。
書類とかバディから渡してるしね。
どれどれ、チョコケーキをもう一口…。
「そうだ、ねえAっち。貴女スカーフェイスとどういう関係?」
ボト
フォークに刺したケーキの塊が落ちる。
K・Kさんのいうスカーフェイスとはスティーブンさんの事。
一瞬思考停止したわまた。
『…どうって、別に普通っすよ。普通』
普通にいい上司だと思いますけど、そうも言う。
そしたらつまんなそうな顔をするK・Kさん。
いやそんな顔されましても。
落としたケーキをまたぶっ刺して口に運ぶ、やっぱり美味い。
もぐもぐと食べていると、なぜか俺の隣でそわそわとしているチェインさんが視界に入った。
宛ら顔が少し赤い、それから視線も感じる。
…ふうん、これはまさか。
『…チェインさんスティーブンさんの事好きなの?』
試しにそう聞いてみた所、顔は真っ赤に。
ほう、これは当たりだな。
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とーる(プロフ) - ああ俺っ娘大好きですうう、、ありがとうございますうう、、 (3月3日 21時) (レス) @page13 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 男…?女…?どっち…? でも6ページで養女って書いてあるから女…? (2020年11月7日 17時) (レス) id: 4f6aa0ae22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - リャオトンさん» 読んで頂きありがとうございます(´˘`*)主人公好きですか〜めちゃくちゃ励みになる言葉を頂きました、感謝感激雨霰!引き続き投稿頑張らせてもらいます〜! (2020年4月27日 19時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - めっちゃ好きです!主人公が好きですね〜^ ^投稿頑張ってください! (2020年4月27日 1時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年8月20日 22時